クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人
入れ歯が合わなくて痛かったり、外れやすかったりすることから、使用することをやめてしまっている方も多いのではないでしょうか?入れ歯の必要性についてご説明いたします。
噛めない・噛まないことで何が起こる?
入れ歯が合わなかったり痛かったりすることで、外したまま食事をし続けると・・・
唾液の量が減る
よく噛むと唾液が出やすくなります。噛む回数が少なくなると唾液の分泌量が減り、それに伴い唾液の働きである自浄作用も減ってしまいます。お口の中が清潔に保てなくなると虫歯になりやすかったり、口臭の原因にもなってしまいます。
飲み込みづらくなる
よく噛めない・噛まないことで、食べ物を小さく砕くことができず、大きなまま飲み込むことが続くと胃腸に負担がかかり、消化不良の原因となってしまいます。
栄養のバランスが悪くなる
よく噛めないことから、何げなく噛まなくても食べられる軟らかい食べ物を選びがちになってしまいます。そうなると食べられるものが限られてくるので、栄養が偏ってきます。
口周りの筋力が低下する
噛む回数が減ると、噛むために使われていた口周りの筋力が低下してしまいます。そのことにより、ますます噛みにくくなったり、顔のたるみやシワにもつながり、老けた印象になってしまいます。
両隣の歯が動き出す
歯を失った両隣の歯が、なくなった部分を埋めようとして倒れこんできます。また、咬み合わせの反対側の歯も、なくなった部分を埋めようとして伸びてきます。隣の歯が動いてしまうと、一度作った入れ歯が入らなくなり、また作り直さなければなりません。
合わない入れ歯を使い続けると
- 噛めないことで歯茎に負担がかかり、顎の骨が痩せてしまう
- 食べ物がよく噛めなくなり、消化吸収能力を低下させてしまう
- 入れ歯がズレたり外れたりすることで、口腔内の粘膜を傷をつけてしまう
- 噛み合わせの乱れから、頭痛や肩こりなど全身に不調が現れる
- 発音がしづらく会話が楽しめなくなり、気分が塞ぎがちになる
合わない入れ歯を使い続けることで、お口の中だけではなく精神面にも悪影響を与えてしまいます。
入れ歯の調整は重要
「入れ歯を作ったけど、なかなか合わなくて慣れないから食事がしづらい」と悩んでいらっしゃる方も多いと思われますが、入れ歯は1~2回の調整で、ピッタリ合うことは少なく、平均3~5回の調整が必要です。入れ歯は出来上がってから何度か微調整を繰り返して完成となります。
入れ歯は軟らかい粘膜の上にのせます。粘膜は圧力を受けてへこんだり、口を動かすことによって変動するので、硬い入れ歯が粘膜の上で安定することは難しいのです。しっかり調整をしてから、慣れていきましょう。
入れ歯が合わないに関するQ&A
よく噛めないので唾液の量が減り、飲み込みが難しくなり、その結果栄養のバランスが悪くなる、口周りの筋力が低下する、隣の歯が動き出すなどが起こる可能性があります。それによって一度作った入れ歯が入らなくなることもあります。
食べ物を小さく砕けなくなり、大きなまま飲み込むことが多くなるため、胃腸に負担がかかり、消化不良の原因となります。また、硬いものをさけて偏食になり、栄養バランスが崩れて身体にも影響が出ます。
入れ歯を使用しないと、噛む回数が減り、噛むために使われていた口周りの筋力が低下します。これは更に噛みにくさを引き起こし、顔のたるみやシワも引き起こす可能性があります。
まとめ
入れ歯を作ってすぐは、違和感があったり痛くなったりすることが多少なりともあると思いますが、まずはくり返し調整をして、しっかり噛めるようにしましょう。
合わない入れ歯を使い続けることは、使い勝手が悪いだけでなく、さまざまな不調につながります。同じ様に、合わないからと入れ歯を外したまま食事をし続けることも身体には良くありませんので、不具合がある場合は放置せずに、歯科医院へ行くようにしましょう。