クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人
みなさんのお口の中は清潔な状態を保っていますか?殆どの方は毎日2~3回の歯磨きで歯のケアをしておられると思います。歯垢や食べ物のかすを歯や歯ぐきから取り去ってきれいな状態にすることは大変重要です。しかしそれにちょっと加えていただくだけで口内環境が良くなるポイントがいくつかありますので、ご説明します。
口内を清潔にするためには
口腔ケアの目的は、お口の中を清潔にすることと、お口の中をきれいにすることで咀嚼などの口腔機能を健康な状態に維持することです。
日本では超高齢者社会の到来とともに、要介護の方も増え、誤謬性肺炎のリスクについても広く知られるようになりました。
1. 歯みがきグッズにデンタルフロスと歯間ブラシを追加する
デンタルフロスと歯間ブラシは、歯科の定期健診の際に歯科衛生士からすすめられて、もう毎日使っておられる方も多いと思います。歯ブラシだけではお口全体の6割しかきれいになっていないといわれており、残りの部分をきれいにするためには、これらのグッズが必要不可欠です。
磨き残しの歯垢は、主に歯と歯の間や、歯と歯茎の間に残っています。デンタルフロスは歯と歯の間にフロス(糸)を通し、歯垢を糸で絡め取ります。歯間ブラシは歯の両端が歯茎と接する部分にそっと差し込み、そこにたまった歯垢を除去します。これら二つの場所は、歯ブラシだけではなかなかきれいになりません。
虫歯の形成、歯肉炎、さらには歯の喪失を防ぐために、ぜひ取り入れてみて下さいね。
2. ジュースの消費を制限する
毎日糖分たっぷりのジュースや炭酸飲料を飲んでおられる方は、それらを少し控えることで、お口の中にとどまっている糖分が減ります。
フルーツジュースは身体の健康に良い影響もありますが、歯の健康には悪影響を与えることがあります。砂糖がプラスされたフルーツジュースが歯についたままになっていると、腐敗を引き起こす可能性があります。
さらに、オレンジやパイナップルなどの柑橘類のジュースは酸の含有量が高く、それらに長い時間、またはしばしば歯が晒されることで、歯のエナメル質に損傷を与えることがわかっています
3. たばこの習慣はありませんか?
たばこの習慣をやめることで、タバコによる歯の染色を防ぐことが出来ます。それだけでなく、口腔がん、腐敗、歯周病を発症するリスクを大幅に減らすことができます。
すぐに禁煙は無理でも、減煙を心がけてみてはいかがでしょうか?
4. マルチビタミンを摂取する
身体の他の部分と同じように、歯茎と歯も健康を維持するために特定のビタミンとミネラルを必要とします。
歯を強くして腐敗しにくい状態に保つためには、たくさんのカルシウムが必要です。また、歯と歯茎をひび割れや出血から守るためには、ビタミンDとビタミンBの複合体が必要です。歯や歯ぐきを健康な状態にするためには、銅、亜鉛、ヨウ素、鉄、カリウムなども必要です。
5. 舌をきれいにする
一日一回舌ブラシで舌を掃除するだけで、口内に生息する口腔細菌の量を大幅に減らすことができます。舌の表面は意外と汚れていますが、歯ブラシでゴシゴシこすっては、痛いだけで細菌は取れません。必ず専用の舌用のブラシとして市販されているものを用意しましょう。
この習慣を身につけることで、口内の細菌を減らし、歯周病や虫歯からさらに身を守ることができます。
6. 食後の洗口剤やキシリトールガム
食後に抗菌効果のある洗口剤で口をすすぐことは、口腔細菌を殺して洗い流し、食べ物のかけらを取り除くことに役立ちます。
食後にキシリトールガムを噛むと、キシリトールの虫歯予防効果に加えて、唾液が増えて酸が中和されます。
口の中を清潔にするために気をつけることに関するQ&A
口腔ケアの目的は、お口の中を清潔にすることと、お口の中をきれいにすることで咀嚼などの口腔機能を健康な状態に維持することです。
デンタルフロスは歯と歯の間にフロス(糸)を通し、歯垢を糸で絡め取ります。歯間ブラシは歯の両端が歯茎と接する部分にそっと差し込み、そこにたまった歯垢を除去します。
一日一回舌ブラシで舌を掃除することで、口内に生息する口腔細菌の量を大幅に減らすことができます。舌の表面は汚れや細菌がたまりやすいため、専用の舌用ブラシを使ってきれいにすることが効果的です。
まとめ
お口の中を清潔な状態に保って虫歯や歯周病を防ぐために、出来そうなことから始めてみてはいかがでしょうか。毎日の習慣にして頂くことで、口腔ケアの効果が上がります。