インプラント

全部の歯をインプラントにするメリットとは?

全部の歯をインプラントにするメリットとは?

歯をすべて失った場合、その治療法としてインプラントは効果的な選択肢です。全部の歯をインプラントにすることのメリットや、他の治療法との比較、注意点についてご説明します。

インプラントとは?

インプラントの構造

インプラントは、失った歯の代わりに人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込み、その上に上部構造(被せ物)を装着する治療法です。歯茎の上には上部構造の部分だけが見え、自然な見た目と機能を取り戻すことができます。

人工歯根はチタン製の小さなネジ状の部品です。人工歯根の上にはアバットメントと呼ばれる小さな部品がつけられ、人工歯根と上部構造を繋ぐ働きをします。上部構造は一般的にセラミックやジルコニアで作製されることが多いです。

全部の歯をインプラントにするメリット

全部の歯をインプラントにすることで、以下のようなメリットが得られます。

1. 自然な噛み心地と発音の回復

インプラントは顎の骨にしっかり固定されるため、自分の歯のような安定した噛み心地が期待できます。また、発音もしやすくなり、会話がスムーズになります。

2. 見た目の改善

インプラントは天然歯に近い見た目を再現できるため、笑顔に自信が持てます。さらに、顎の骨の吸収を防ぐことで、顔の輪郭を保つ効果もあります。

3. 食事の制限が少ない

硬い食べ物や粘着性のある食べ物も問題なく噛むことができ、食事を楽しむことができます。

4. 周囲の歯への影響が少ない

ブリッジのように隣の健康な歯を削る必要がなく、他の歯への負担を軽減できます。

総入れ歯との比較

総入れ歯とインプラントには、それぞれ特徴があります。以下に主な違いをまとめます。

項目 インプラント 総入れ歯
見た目 天然歯に近く、自然な見た目を再現可能 見た目の調整は可能だが、自然さで劣る場合がある
使用感 顎の骨に固定されるため安定しており、噛む力が強い 動きやずれが生じることがあり、安定性に欠ける場合がある
顎の骨への影響 顎の骨を刺激するため、骨の吸収を防ぎやすい 顎の骨が刺激されず、骨の吸収が進む可能性がある
食事の自由度 硬いものや粘着性のある食べ物も問題なく噛める 硬いものや粘着性のあるものは避けた方が良い
メンテナンス 日常の歯磨きと定期的な健診が必要 毎日の取り外しと清掃が必要
耐久性 適切なケアを行えば長期間使用可能(10~20年以上) 定期的な調整や交換が必要(5~7年程度が目安)
費用 1本あたり約35~50万円、全部の場合は数百万円 比較的安価(数万円~数十万円)
手術の必要性 外科手術が必要 手術は不要
装着後の違和感 固定されているため違和感が少ない 装着初期に違和感があることが多い
周囲の歯への影響 他の健康な歯を削る必要がない 周囲の歯への直接的な影響はない

この表を参考に、患者さんのライフスタイルやご希望に合った治療法を選ぶことが大切です。

オールオン4 少ない本数でのインプラント治療

オールオン4

オールオン4は、片顎に最少4本のインプラントを埋入し、12本の歯を支える治療法です。これにより、治療期間や費用を抑えつつ、しっかりとした噛み心地を得ることができます。また、顎の骨が少ない方でも適応できる場合があります。

治療期間と費用について

治療期間

インプラントの治療期間は、患者さんの状態や治療計画によりますが、通常3ヶ月から8ヶ月程度です。オールオン4の場合、治療期間が短縮されることがあります。

費用

インプラント治療は保険適用外のため、費用は高額になる傾向があります。一般的に、1本あたり35万円から50万円程度が相場とされています。オールオン4の場合、片顎で300万円前後が目安です。

インプラント治療の注意点とデメリット

インプラントのデメリット

インプラント治療には以下のような注意点やデメリットがあります。

1. 外科的手術が必要

インプラントを埋入するための手術が必要であり、手術に伴うリスクや術後の痛み、腫れなどが考えられます。

2. 定期的なメンテナンスが必要

インプラントを長持ちさせるためには、定期的な健診やクリーニングが欠かせません。メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎などのリスクが高まります。

3. 費用が高額

保険適用外のため、治療費が高額になることがあります。ただし、医療費控除の対象となる場合があるため、税務署での手続きを検討すると良いでしょう。

自然な噛み心地と見た目を重視するならインプラント

インプラント

インプラントは、天然歯に近い使用感を得られる治療法です。特に、食事の際や会話の際に違和感が少なく、日常生活での快適さを提供します。

メンテナンスを怠らないことが大切

インプラント治療後は、定期的な健診や歯磨き習慣の徹底が不可欠です。歯垢が溜まると、インプラント周囲炎などのトラブルに繋がるため、毎日のケアと専門的なチェックが必要です。

費用対効果を考慮する

費用が高額ではあるものの、長期間の使用を見据えるとコストパフォーマンスに優れた選択肢となります。総入れ歯や部分入れ歯の定期的な調整や交換に比べ、インプラントは長期的に安定した結果が期待できます。

信頼できる歯科医師に相談する

インプラント治療は高度な技術を要するため、経験豊富な歯科医師に相談し、丁寧なカウンセリングを受けることが重要です。また、治療計画やアフターケアについて十分に説明を受けた上で決断するようにしましょう。

まとめ

全部の歯をインプラントにすることは、噛む喜びや話す楽しみ、笑顔の自信を取り戻す大きな一歩です。インプラント治療を検討する際には、費用や期間、体調などを総合的に考慮し、ご自身にとって最善の選択をしてください。

「歯がない」という状況は、心理的にも身体的にも負担が大きいものですが、最新のインプラント治療はそれらを解消する可能性を提供してくれます。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

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クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック