インプラント

オールオンフォーの手術後の食事のとり方

オールオンフォーの手術後の食事のとり方

オールオンフォー手術は、失った歯を補うためのインプラントによる効果的な治療法です。手術後の適切な食事は、手術の後の歯茎や骨の回復を助け、インプラントを骨に確実に定着させるために大切です。オールオンフォーの手術直後から回復期まで、どのような食事を摂るべきかについてご説明します。

▼オールオンフォーについての詳しい解説はこちら

インプラント手術後24時間以内の食事に対する注意点

手術直後から数日間は食事に対して特に注意が必要です。どのような食事を摂れば良いのか事前に知り、準備しておくと慌てずに済みます。固い食べ物や熱い飲み物は避け、インプラントの部位に負担をかけないようにしましょう。

1. 飲食物の温度に注意

手術後は口腔内の感覚が鈍くなっていることが多く、熱い飲食物が口内や手術部位を傷つけるリスクがあります。

  • 熱い飲み物や食べ物は避ける・・お茶、コーヒー、スープなどの熱い飲み物は避け、室温または冷たい飲み物にします。
  • 冷たい飲み物や食べ物も控えめに・・極端に冷た過ぎるものも刺激になります。常温の水やぬるい飲み物が最適です。
  • 常温の飲み物・・熱くなければ、コーヒーや紅茶、お茶は飲んでも大丈夫です。

2. 柔らかい食品を選ぶ

手術部位に負担をかけないよう、柔らかくてあまり噛まずに飲み込んでも消化しやすい食品、そして刺激が少ないものを選ぶことが大切です。

  • 液体の食事・・スープ、スムージーやプロテインシェイクなど、液体状でもなるべく栄養価の高いもの。
  • 柔らかい食品・・ヨーグルト、プリン、ジェル状のデザートなど。なるべく栄養価の高い食品を選ぶ

具体的な食事例

手術後24時間以内に推奨される具体的な食事例をいくつか紹介します。

  • 朝食・・常温のスープ、スムージー、ヨーグルト、甘く煮た果物、ゼリー飲料。
  • 昼食・・冷たいまたは室温のスープ(例えば、かぼちゃスープや豆のスープ)。
  • 夕食・・室温のスープ、スムージー、プリン、ゼリー飲料、甘く煮た果物。
  • 間食・・スムージー、常温のハーブティー、プロテインシェイク。

3. 口腔内の負担を軽減

インプラント部位に炎症が起こっている間は、出来るだけ患部を刺激しないようにしましょう。

  • 噛む動作を最小限に・・なるべく噛む必要のない食品を摂取し、噛む動作を出来るだけ減らす。
  • 吸い込む動作を避ける・・ストローを使用すれば楽に飲食が出来るように思われがちですが、ストローの使用は避けて、飲み物はコップから直接飲むようにします。吸引の動作が手術部位に圧力をかけてしまうためです。

4. 口腔ケアに関する注意

食事後の口腔ケアも重要です。手術直後は特に注意が必要です。

  • うがいは優しく行う・・強いうがいは避け、優しく水で口をすすぐ程度に留めます。
  • 歯磨きは控える・・手術部位に触れることを避けるため、24時間は歯磨きを控えます。

5. 適切な水分補給

脱水を防ぐために、適切な水分補給を行いましょう。ドライマウスになると口内に細菌が繁殖しやすくなりますので、注意が必要です。

  • 水を多く飲む・・常温の水をこまめに飲むことで、口腔内の乾燥を防ぎ、回復を助けます。
  • アルコールとカフェインは避ける・・アルコールやカフェインを含む飲み物には血管を拡張する作用があり、インプラント埋入部からの出血が続きやすくなります。

これらのガイドラインに従うことで、オールオンフォー手術後の初期回復期を安全かつ快適に過ごすことができます。

回復期の食事とその進め方

手術後数日から数週間にかけては、徐々に食事の種類と量を増やしていくことが重要です。

第1週目

術後3日目くらいまでは食べ物に注意が必要です。常温の柔らかい食べ物で栄養を摂るようにしましょう。

  • スムージー、豆腐・・野菜や果物のスムージー、豆腐など。
  • おかゆ、麺類・・柔らかく調理したおかゆや麺類。玉子を投入して一緒に煮込むと、栄養価がアップします。
  • ゼリー、ヨーグルト・・食欲がない時も食べやすく、カロリーが補給できます
  • 茶碗蒸し・・具を控えめにした茶碗蒸しも食べやすく栄養価が高いです。

第2週目以降

2週目からは殆どのものが飲食可能になりますが、念のためやわらかいもの中心の食生活にし、徐々に普通食に戻していきましょう。インプラントと骨がしっかりと結合して天然歯と同じように噛めるようになるまでは、数カ月から半年ほどかかります。

  • 軟らかい野菜・・よく煮た野菜、マッシュポテト。
  • 軟らかいタンパク質・・鶏肉や魚の柔らかく調理したもの、卵料理。
  • 柔らかい米、麺類、パン・・しっかり噛まなくても消化に影響がないものを選びましょう。

避けるべき食べ物と飲み物

回復期にはインプラント埋入部を刺激するような食べ物や飲み物を避けることが、回復期の健康状態を左右することがあります。

  • 硬い食べ物・・ナッツ、ポップコーン、固いパン。
  • 噛むのが難しい食べ物・・ステーキ、粗い食感の野菜。
  • 刺激物・・スパイシーな食べ物、アルコール、炭酸飲料。

栄養バランスを保つためのヒント

適切な栄養を摂取することは、回復を促進し、全体的な健康を維持するために重要です。

  • プロテインの摂取・・筋肉の回復とインプラントの安定化に役立ちます。プロテインシェイクや柔らかいタンパク質源を積極的に取り入れましょう。
  • ビタミンとミネラル・・野菜や果物のスムージーでビタミンCやカルシウムを補給。
  • 水分補給・・十分な水分摂取は、回復を助け、口腔内の乾燥を防ぎます。

まとめ

インプラント手術後から本歯の上部構造が入るまでの間は、食事に気をつけましょう。手術後1ヶ月程度経過すれば、インプラントはかなり安定してきます。半年程度たち、本歯の上部構造が入れば硬いものでもしっかり噛めるようになり、普段通りのお食事を楽しめるようになります。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

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クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック