クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人
ドライマウスとは、言葉の通りお口の中が乾燥している状態で、味覚障害や、口内の粘膜や舌に痛みがある症状を指します。ドライマウスを改善する方法についてご説明します。
ドライマウスの改善治療法
- 喫煙・カフェイン・お酒を控えめに
- ストレスの少ない規則正しい生活をする
- 鼻呼吸をする
- よく噛む食べ物を食事で取り、時間をかけて噛むことで唾液分泌を促す
- 会話をするか歌う
ドライマウスは些細なきっかけにより、健康なお口の状態に改善することができます。お口周りの筋肉を刺激し活性化するために、よく咬む食事や、よくお口を動かすようにしましょう。最近ではマスク生活が多いため、特にお口元の筋力が衰えがちです。ストレスや緊張を少なくすることは難しいかもしれませんが、決まった時間に食べて寝るだけでも、ドライマウスを引き起こしてしまうリスクが減ると考えます。
口呼吸の癖がある方は、意識して鼻から呼吸を行うように注意してください。また、喫煙やカフェイン、お酒の量をなるべく減らしましょう。水分が摂取できるきちんとした健康的な生活を送ると、お口に良い影響をもたらします。簡単に行える対策としては、ガムを噛む、もしくは唾液腺(頬や顎の下)をマッサージなども、唾液分泌を促進するのに効果的です。
ドライマウスとは
日本語では口腔乾燥症と専門的には呼びますが、ドライマウスという英語の方が、より一般的に浸透しています。名前の通り、口腔内の粘膜などが唾液で覆われず乾燥し、感染症のリスクが高まる状態です。
原因は、糖尿病や腎不全、シェーグレン症候群などの全身疾患によるもの、薬の服用による副作用、加齢、もしくはタバコやカフェインなど食生活、生活習慣の乱れで自律神経(交感神経・副交感神経)の乱れなど様々です。現代ではドライマウスの患者様は大変増えており、生活習慣が大きく関わるトラブルです。
ドライマウスを放っておくとどうなる?
お口が健康な状態、すなわちドライマウスでない場合は、唾液の水分で潤っている状態です。唾液の機能は多岐にわたっています。初期虫歯を修復する自浄作用、粘膜の保護作用、食事で酸性に傾いたお口を中性に戻す作用、食事を消化するための作用など実にさまざまです。
ドライマウスは唾液腺からの唾液が減少する状態です。歯磨きやフロスなどのオーラルケアが不十分なまま糖分を多く摂取すると、プラークは溜まり、ミュータンス菌や歯周病菌の餌になります。
ドライマウスを治療せずに放置すれば、健康なお口の方と比較した場合、虫歯や歯周病のリスクが上がれば悪くなる可能性が高まり、大事なご自身の歯を守れなくなります。唾液の働きが低下すれば、常に口腔内に細菌がいる状態になります。口臭が強くなり、食べ物を噛んだ衝撃で粘膜が傷ついたり、消化しづらく高齢者の方は誤嚥性肺炎に陥る状態も考えられます。粘膜を覆う唾液がなければ、ウィルスや細菌に対して、免疫力が落ち、風邪などを引きやすくなります。
ドライマウスを改善する方法に関するQ&A
ドライマウスを放置すると、虫歯や歯周病のリスクが増え、口臭が強くなり、嚥下困難が起きる可能性があります。免疫力も低下し、感染症になりやすくなります。
喫煙、カフェイン、お酒は体内の水分を減らし、口腔内の乾燥を引き起こす可能性があります。これらを控えることはドライマウスの予防に有効です。
口呼吸をすると口腔内が乾燥しやすくなるため、鼻呼吸をすることで口腔内の乾燥を防ぎ、ドライマウスを予防することができます。
まとめ
むし歯になりやすい方、口臭が気になる方は、ドライマウスが原因という場合があります。一度歯科医院へかかり、歯科医師やスタッフにお悩みをご相談ください。ご自身の口腔内の状態をきちんと把握することが、結果的には歯を長く保つことができ、お口の健康には必要なことです。