クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人
歯周病予防を徹底しないと、全身の健康状態に影響を及ぼすことがわかってきました。タバコや食生活などの生活習慣がどのように歯周病の予防に関わっているのかをご説明します。
歯周病予防のためにタバコの習慣はやめるべき
日々の生活習慣は、虫歯や歯周病に深く関わっています。歯周病の病状に関わる生活習慣を一つあげてみます。
一つはタバコ。喫煙の習慣です。喫煙が全身の健康に与える悪影響は、様々な研究で既に示されています。タバコに含まれるニコチンなどの歯肉の毛細血管の血液の循環を阻み、歯肉の細胞にダメージを与え、免疫力も下がってしまいます。
このようにタバコを吸う習慣が歯周病に悪影響を与えることは、様々な研究から分っています。
これらの問題は、ヤニで歯が着色されたり、タバコの臭いが常に口から口臭として吐き出されるという問題だけでなく、歯の治療の効果を妨げることになるため、歯周病の予防としても、また歯周病治療を受けておられる方も、禁煙をおすすめします。
禁煙すれば歯科治療の効果はタバコを吸わない方と同じ程度には回復することが期待出来ますし、今後の歯周病リスクの改善にもつながります。
歯周病予防のための食事習慣について
歯周病の病状に関わる生活習慣の二つ目は「栄養」です。全身の健康のためにはビタミンなどの身体に必要な栄養素の摂取は欠かせません。もちろんそれらは歯肉のためにもなります。
歯周病の主な原因は歯垢(プラーク)の中にいる細菌なので、歯周病の予防と治療のためにはまずプラークコントロールをしなければなりません。
プラークコントロールをしているという原則で、それに加えてビタミンCやビタミンEといった抗酸化作用をもった栄養素を積極的に食事から摂取することが、歯周病予防につながります。
歯周病が進行して歯に動揺が起こったり、歯を失って噛めなくなると、噛みにくい食べ物を敬遠して柔らかいものを食べがちになるため、栄養バランスに偏りが出ることになります。
歯周病の予防、治療のために、食生活を見直して必要な栄養を食事から採れるようにしましょう。
歯を悪くしてしまう生活習慣を改善しよう
虫歯や歯周病を悪化させ生活習慣というものがあります。これらを改善することで、虫歯や歯周病のリスクを軽減することが出来ます。
- 歯磨きをしないで寝ることが度々ある
- タバコを吸う習慣がある
- 間食の頻度が多い
- 砂糖入りの飴やガムなどを日常的にとっている
- 砂糖入りの飲み物を水やお茶代わりに飲んでいる
- 酸っぱいものが好き
- 炭酸飲料を飲む機会が多い
- 歯ぎしり、食い縛りの癖がある
- 歯医者が苦手で歯が悪くなってから仕方なく行く
- いつも口呼吸をしている
いかがでしたか? 当てはまるものがあれば、なるべく改善するようにしましょう。
歯周病予防のための生活習慣に関するQ&A
タバコに含まれるニコチンは歯肉の毛細血管の血流を阻害し、歯肉の細胞にダメージを与え、免疫力を低下させます。これが歯周病を引き起こしやすくします。
禁煙すると、歯科治療の効果は喫煙していない人と同等になり、今後の歯周病リスクの改善にもつながります。
歯磨きを怠る、タバコを吸う、間食が多い、砂糖入りの飴や飲み物を頻繁に摂取する、酸っぱいものや炭酸飲料を好む、歯ぎしりの癖がある、歯医者への訪問を遅らせる、口呼吸の習慣がある等の生活習慣が虫歯や歯周病を悪化させる可能性があります。
歯ぎしりや食い縛りは歯や歯周組織に過度なストレスを与え、歯の摩耗、亀裂、あるいは歯周病の進行を引き起こす可能性があります。
まとめ
虫歯や歯周病にかかりやすい人とかかりにくい人がいます。それには歯や唾液の質などの遺伝的な体質に左右される部分もありますが、殆どの場合は食生活などの生活習慣に大きな原因があります。
虫歯や歯周病は生活習慣を改善することによってかなりリスクを下げることが可能ですので、歯に悪い生活習慣は出来る限り改善していくようにしましょう。