クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人
近年、大人の矯正患者さんが増えています。成人してから歯科矯正を行うメリット・デメリットをご紹介します。
矯正を大人になってから開始する場合のメリット
一方、矯正を大人になってから始めた場合のメリットをご説明します。
1. お顔の印象をより良くすることができる
社会人になると人の目が気になる方はおられます。周囲の方の歯並びとご自分の歯並びを比較し、歯並びにコンプレックスを持ち、お顔の印象をより良くするため歯科矯正を検討する方は意外と多いです。大人になっての矯正治療は自分で費用を払うことができ、コンプレックスは解消され、綺麗な歯並びは清潔感や爽やかさという印象を与えることができます。
また、大人になり矯正を始める方は、絶対に歯並びを良くするという思いで治療計画をきちんと把握し、ドクターの診療を受けられます。親から勧められてイヤイヤ矯正治療を行い、その結果矯正装置を外してしまい治療を断念するお子さんとは、大きく違う点です。
2. 口腔内のリスクが減る
不正咬合による歯並びの悪さが解消され歯列がきれいになれば、歯磨きなどのブラッシングがしやすくなり、磨き残しがなくなります。お口を清潔に保てるので、むし歯や歯周病、口臭などのリスクを減らせます。
また、噛み合わせの悪さがあると特定の歯への負担がかかりがちですが、それを減らせます。特定の歯のダメージが減ることで、全体的なご自身の歯の健康にも繋がります。
3. 心身ともに健康になる
かみ合わせが整うと、しっかりと上下左右の歯を合わせて咬めます。食べ物がすりつぶされた状態で送れるため、胃腸の負担が減ります。また、正しい噛み方により、お口やお口周りの筋肉も正しく機能し、バランスが良くなります。肩こりの原因の一つである噛み合わせを良くすると、お悩みがなくなる可能性があります。
矯正を大人になってから開始する場合のデメリット
まず、矯正を大人になってから始めた場合のデメリットをご案内します。
1. 抜歯を必要とするケースがある
乳歯は混合歯列期を経て、通常12歳前後に永久歯へと生え変わります。永久歯になってからの矯正治療は歯をきれいに並べるスペースがなく、抜歯を必要とするケースがあります。子供の歯列矯正はあごの成長を利用できるため、抜歯をせず歯を正しい位置に動かせますが、大人は成長が止まっているため抜歯の可能性があります。
2. 虫歯や歯周病の治療が必要となるケースが多い
年齢が上がるにつれ、歯肉の感染症である歯周病になるリスクが高くなります。もし、虫歯や歯周病に感染されている場合、先にそれらの治療を行わなければならず、矯正治療開始までに一般的な歯科の診療の時間や料金が発生します。
3. 歯が動く時間、装置に慣れるまでの時間がかかる
歯列矯正には歯周組織や骨の新陳代謝が大きく関係します。大人は子供より代謝機能が低く、歯を動かすための矯正期間ががより長くかかる場合があります。歯根吸収や歯茎が下がって見えるというトラブルが起こる可能性があります。
また、矯正器具を装着する時、子供はすぐに痛みや装置に慣れますが、大人は子供よりも長くかかります。痛みが長い間引かずに我慢が出来ない場合は、歯科医師に相談し、場合によっては処置を行ってもらいましょう。
大人の矯正のメリット・デメリットに関するQ&A
大人の矯正治療のメリットとして、自分自身で費用を負担できることが挙げられます。また、矯正治療によって歯並びが改善されることで、自信を持つことができます。さらに、綺麗な歯並びは清潔感や爽やかさを演出し、お顔の印象を良くすることもできます。
大人の矯正治療では、既に成長期を過ぎているために顎の成長が止まっています。そのため、既に生えている永久歯をきれいに並べるためにはスペースを作る必要があります。しかし、大人の場合、スペースが不足している場合には抜歯が必要になることがあります。
大人の場合、子供と比べて代謝機能が低下しているため、歯を動かすために必要な矯正期間が長くなることがあります。また、矯正器具を装着した場合、子供と比べて大人はより長い時間が必要なこともあります。これは、大人の場合には骨や歯周組織の変化が子供よりも遅く、それによって装置に対する慣れも時間がかかるためです。
まとめ
大人になってからの矯正のメリット・デメリットをご紹介しました。一般的に矯正治療で治せる不正咬合とは、出っ歯(上顎前突)、受け口(反対咬合)、前歯が閉じられない(開咬)、歯のガタガタや八重歯(叢生)、噛み合わせが深い(過蓋咬合)など様々です。これらでお悩みの方は、クリニックで行われる無料カウンセリングを活用し、ご相談ください。