クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人
虫歯予防に気をつけていても虫歯になってしまう方がおられます。すでに虫歯がある方、治療した歯がある方は、虫歯予防のポイントをしっかりと身につけましょう。
虫歯予防に効果的なのポイント
1. フッ素を上手に使おう
北欧のスウェーデンやフィンランドは虫歯予防先進国と呼ばれています。日本の歯科医師や歯科衛生士も、スウェーデンやフィンランドから虫歯や歯周病の予防について学んでいます。
殆どの日本人は1日に2~3回歯磨きをしているのですが、それでも虫歯になってしまう方が多いです。
そのような方は、虫歯予防のために最低でも1日2回のフッ素の利用を心がけてみてください。朝晩の2回、フッ素入りの歯磨き剤やデンタルリンスでケアしてみましょう。
2. キシリトールの効果的な使い方
キシリトールは虫歯予防に効果があります。しかし実は1日に5グラムのキシリトールを摂取しないといけません。
コンビニやドラッグストアで売られているキシリトールガムは、1粒に0.3〜0.5g位のキシリトールしか入っていません。
ロッテのキシリトールガムのホームページには「1回2粒を5分以上、一日7回」と書いてあります。1日14粒ということになります。さらにそれを最低3ヶ月以上続ける必要があります。
歯科医院で販売しているキシリトールはキシリトール100%で混ぜ物がありませんので、1日に4粒で虫歯予防に必要なキシリトール5gを摂取することができます。
キシリトールの甘みがなくなっても、15分程度噛み続けると、唾液がどんどん出てきますので、唾液の抗菌作用などによって虫歯予防の効果が高まります。虫歯になりやすい方は半年程度は続けましょう。
3. 食後2時間半は水・お茶以外の飲食を避ける
お口の中の虫歯菌は、糖を餌にして酸を出して歯を溶かします。糖がお口の中に入ってから虫歯菌が酸を出し始めるまで、わずか30秒といわれています。
食後に歯磨きをしても間に合いません。しかしお口の中には唾液という強力な抗菌作用を持ったシステムが備わっていて、唾液は2時間かけて溶けた歯を再石灰化して
元通りにしてくれます。
そのため、食後2時間は水やお茶以外の飲食をやめて、お口の中に新たに糖を送り込まないようにしましょう。
4. ダラダラ食い、ダラダラ飲みの習慣を見直そう
糖分を含んだ物を飲食する場合は、2時間は間隔をあけましょう。でないと、歯はずっと溶け続けることになってしまいます。
5. 口腔内を清潔に保つ
虫歯が気になる方は、ご自宅でのセルフケアもしっかりされていると思います。しかし歯をきれいに磨いても、歯垢はあっという間にまた歯にこびりついてしまいます。
当院では定期健診(歯のクリーニング)の際に、歯垢の染め出しを行っています。歯ブラシが届いていない歯と歯の間や、歯の裏側や奥歯など、磨き残した部分に色が付きますので、セルフでの歯磨きの結果がひと目で分ります。
色が濃く付いている部分は、日頃から磨けていない部分ですので、これからは重点的に磨くようにしましょう。磨きにくい歯と歯の間はタフトブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを使って丁寧に歯垢を落としましょう。
それでも歯周ポケットの中はなかなかご自宅はケアしにくいので、3ヶ月に一度の定期健診をお受けください。歯科衛生士が専用の器械を使って歯垢や歯石や、落としにくいバイオフィルムをきれいに除去します。
虫歯予防に関するQ&A
フッ素は虫歯予防において大変重要な役割を果たします。特にフッ素入りの歯磨き剤やデンタルリンスを使用することで、虫歯の発生を予防することが可能になります。
キシリトールは虫歯予防に効果があります。一日に5グラムの摂取が推奨され、キシリトールが含まれているガムを噛むことで唾液の分泌が促され、その唾液の抗菌作用によって虫歯予防の効果が高まります。
ダラダラ食いやダラダラ飲みをすると、口腔内に継続的に糖が供給され、虫歯菌が酸を作り続ける環境が作られます。これにより、酸で歯が溶け続ける状態が持続され、虫歯を引き起こす可能性が高まります。
まとめ
虫歯予防のための5つのポイントについてご説明しました。わかっているけど、なかなか自分では出来ない・・とおっしゃる方は、定期健診の予約をお取り頂いて、予防のプロである歯科衛生士にお任せください。
定期健診を受けているのと受けていないのとでは、歯の状態が全く違います。そして少しずつ、予防のための5つのポイントがご自身でも出来るようにしていきましょう。