クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人
マウスウォッシュやデンタルリンスは手軽にお口を洗い流し、口臭予防の効果もある為、日頃から使っている方も多いと思います。マウスウォッシュとデンタルリンスの違いやそれぞれの効果や働きについてご説明します。
目次
マウスウォッシュ(洗口液)・デンタルリンス(液体歯磨)とは
マウスウォッシュ、デンタルリンスは、共に液体のオーラルケア製品で、お口の中を洗浄して爽快な感じを与えたり、口臭を一時的に防いだりするために用いられます。
マウスウォッシュ、デンタルリンスには化粧品に分類されるものと医薬部外品に分類されるものがあり、医薬部外品の製品にはさまざまな薬用成分が配合されているため含まれている成分の効用が期待できます。
マウスウォッシュ(洗口液)・デンタルリンス(液体歯磨)の使う目的の違い
マウスウォッシュは洗口液なので、口に含んでしばらくぶくぶくさせて口内に行きわたらせてから吐き出します。マウスウォッシュでは歯の汚れは除去できません。
デンタルリンスは液体歯磨きの一種ですので、歯ブラシでブラッシングする際に使います。口に入れてすすいだあとにブラッシングする、口に含んだままブラッシングするなど、商品に使い方が記載されていますので、それに従って下さい。
デンタルリンスには研磨剤は配合されていませんので、着色汚れを除去する目的での使用はあまり適していません。
マウスウォッシュでは歯磨きの代わりにはならない
マウスウォッシュにも多くの種類があり、お口に含んだだけで爽快感が得られますが、実はお口の中の汚れが全て落とせるわけではありません。歯をきれいにするには、やはり歯磨きを行う必要があります。
お仕事中などで、食後にどうしても歯磨きをする時間がない場合に、口内をマウスウォッシュでさっと洗うと、お口の中がさっぱりして、口臭を一時的に消す効果もあります。
マウスウォッシュは歯磨きのように歯垢を落とせるわけではありませんので、あくまでも適材適所の使い方を心がけるようにしましょう。
マウスウォッシュには「イオン系抗菌薬」「非イオン系抗菌薬」を配合した2種類がある
マウスウォッシュにはさまざまな口内洗浄液にはさまざまな種類がありますが、大きく分けると「イオン系抗菌薬」を配合したものと、「非イオン系抗菌薬」を配合したものに分けることが出来ます。
イオン系抗菌薬は、歯の表面に付着して抗菌効果が数時間もつというメリットがありますが、バイオフィルムの中には浸透しにくいというデメリットがあります。
イオン系のマウスウォッシュで良く名前が知られている製品には、塩化セチルビリジニウムを配合したガムデンタルリンスやモンダミン、塩化ベンゼトニウムを配合したネオステリングリーンなどがあります。
一方、非イオン系抗菌薬は、バイオフィルムに浸透しやすいというメリットがありますが、効果が長時間持ちにくいというデメリットがあります。非イオン系の抗菌薬でよく知られている製品には、ポピドンヨードやエッセンシャルオイルを配合したリステリンなどがあります。
「イオン系抗菌薬」と「非イオン系抗菌薬」は効果に一長一短があり、どちらを使えばよいかは、使う方の状況によります。
歯みがきで歯垢をしっかりと除去出来ている場合は、歯の表面の抗菌効果が長持ちするイオン系のマウスウォッシュがおすすめです。逆に食後にすぐ歯みがき出来ない状況などで、歯みがきが十分に行えていない場合は、非イオン系のマウスウォッシュが有効です。
マウスウォッシュとデンタルリンスの効果と目的に関するQ&A
マウスウォッシュとデンタルリンスは、使用方法と効果に違いがあります。マウスウォッシュは口内に含んでぶくぶくさせてから吐き出す液体で、口臭予防や爽快感を与える目的で使用されます。一方、デンタルリンスは液体歯磨きで、歯ブラシと併用して使用し、口内を洗浄する効果があります。
マウスウォッシュとデンタルリンスには、化粧品に分類されるものと医薬部外品に分類されるものがあります。医薬部外品の製品には薬用成分が配合されており、口内の抗菌効果や口臭予防に役立ちます。具体的な成分としては、イオン系抗菌薬や非イオン系抗菌薬、塩化セチルビリジニウムや塩化ベンゼトニウム、ポピドンヨードやエッセンシャルオイルなどが挙げられます。
マウスウォッシュは歯磨きの代わりにはなりません。マウスウォッシュは口内の一時的な清潔さや口臭予防に役立ちますが、歯の汚れや歯垢を除去する効果はほとんどありません。歯をきれいにするためには、やはり歯磨きが必要です。
まとめ
マウスウォッシュとデンタルリンスの違い、効果や働きについてご説明しました。マウスウォッシュは歯磨きの代わりにはならず、歯磨きを補う補助的なものであることを理解して頂き、効果的にお使い頂きたいと思います。