インプラント

インプラントの医療費控除と保険適用

インプラントの医療費控除と保険適用

インプラントって高い…費用面が不安なあなたへ

「歯を失ってしまった…どうしよう」「できるだけ自然に、ちゃんと噛めるように戻したい…」
そんな風に思ったとき、多くの方がインプラント治療を検討されます。

でも、治療内容を調べれば調べるほど、心にブレーキをかけてしまうのが“費用”のこと。
「こんなに高いの?」「保険って使えないの?」「医療費控除って難しそう…」
と、不安や疑問がどんどん出てきますよね。

実際、インプラントは自由診療が基本で、決して安い治療ではありません。
だからこそ、ちゃんと制度を知って、賢く治療を選ぶことが大切なんです。

この記事では、インプラント治療にかかる費用が少しでも軽くなるよう、
「医療費控除」や「保険適用の可能性」について、わかりやすく解説していきます。

「費用が心配で踏み出せない…」そんなあなたの背中を、そっと押せたら嬉しいです。

知らないと損!インプラント費用の注意点

費用の注意点

インプラント治療を検討するとき、まず気になるのが金額ですよね。以下のような点に注意が必要です。

インプラントは基本的に自由診療  → 保険がきかないため、全額自己負担が原則。

治療内容によって費用が大きく変動  → 骨の移植や仮歯の有無で費用が大幅に変わるケースも。

クリニックごとに価格差がある  → 同じ治療でも数万円〜数十万円の差が出ることも。

その結果、事前に見積もりをしっかり出してもらうことが重要です。費用の内訳や、使える制度をしっかり確認しておきましょう。

インプラントが保険適用で受けられる場合

「インプラントって全部自費でしょ?」と思われがちですが、じつは“ある条件”を満たすと、健康保険が使えるケースもあるんです!

ただし、それは本当にレアケース。以下のような特殊な状況でのみ、保険適用が認められます

 保険が使えるのは、こんな場合!

病気や事故などで、顎の骨の大部分を失ってしまった場合
→ がん治療の一環で顎を切除した場合などが該当。日常生活における「噛む・話す・飲み込む」機能の回復が目的。

先天的に歯がまったく存在しない場合(無歯症)
→ 生まれつき歯が全くない、あるいは極端に少ないケースで、機能的な咀嚼障害を伴うと判断された場合。

厚生労働省が定める特定の条件を満たす医療機関で治療を受ける場合
→ 「顎口腔機能再建法」という制度に該当する医療機関・医師での治療が必要です。

 保険適用のために必要なものは?

医師による診断書
→ 上記のような病状・障がいがあることの証明が必要です。

大学病院や特定機関での治療
→ 一般の歯科医院では保険適用されないため、指定された高次医療機関での対応となります。

事前の申請・手続き
→ 自動的に保険が使えるわけではなく、審査や事前承認が必要になることもあります。

ポイント

保険が適用されるのは「機能回復を目的とした高度な医療」に限られる

審美目的(見た目を良くしたいだけ)のインプラントは対象外

「がん手術後」「外傷」「先天性疾患」などがキーワードになる

ひとことアドバイス

一般的な「1本失ったからインプラントで治したい」という場合には、原則、保険は適用されません。ですが、「もしかして自分は対象かも…?」と思ったら、まずは主治医や大学病院などの専門医に相談してみるのが正解です!

実は控除も使える!医療費控除と保険の違い

インプラントの費用には、以下のような制度が関わってきます。

 医療費控除の対象になる条件

  • 「噛む機能の回復」が目的の治療である
  • 審美目的(見た目だけの改善)は対象外
  • 家族全体の医療費が年間10万円以上(または所得の5%以上)

 保険適用になるレアなケース

  • 事故や病気によって多数歯を一気に失った場合
  • 医師が必要性を認め、保険医療機関で手術した場合

 医療費控除の申請方法を詳しく解説!

インプラント治療が高額になっても、医療費控除をうまく活用すれば、税金の一部が還付される可能性があります。でも…「確定申告ってむずかしそう…」「何から始めたらいいの?」という声も多いんです。

ここでは、申請の流れをカンタンに整理してご紹介します。

医療費控除の対象になるための条件

まずはチェック!

本人または生計を一にする家族のための医療費

1年間(1月1日〜12月31日)で支払った医療費の合計が10万円以上  ※所得が200万円未満の場合は「所得の5%」以上が目安

審美目的の治療は対象外(例:ホワイトニングなど)

治療のための通院費・薬代も含まれる場合あり

医療費控除の申請ステップ

領収書・レシートを保管する

  •  インプラント治療の領収書
  •  薬局のレシート(治療に関連するもの)
  •  通院のための交通費(電車・バスなどもOK!)

家族分まとめて合算OK!

医療費の明細書を作成する
・国税庁のサイトにフォーマットあり
・e-Taxを使えば自動計算も可能!

確定申告を行う(2月中旬〜3月中旬)
申告方法は次の3つから選べます。

  1. 税務署で書面提出
  2. e-Tax(インターネット申告)
  3. 税務署に郵送

還付金を待つ
早ければ1か月ほどで指定口座に振り込まれます!

控除対象に含められるもの(一部)

  • インプラント治療費(※機能回復が目的であること)
  • 通院に使った交通費(自家用車のガソリン代は×)
  • 治療に必要な投薬・検査費
  • 付き添いが必要な子どもの通院にかかった費用

対象外の例

  • 美容目的のセラミック治療
  • マイカー通院のガソリン代や駐車場代
  • インプラントのメンテナンス用品(例:市販の洗口液など)

ポイント
控除が受けられるかどうかは、「医師の診断内容」や「治療目的」によって左右されます。事前に歯科医に相談し、「治療目的が機能回復である」ことをしっかり記録に残してもらいましょう!

申告の際は「インプラント治療=審美目的ではなく機能回復のため」と伝えるのがポイント!

初めての方でも、税務署に行けば職員さんが丁寧に教えてくれます。

家族でインプラント治療を受けた場合も、まとめて申請できてお得!

制度をうまく使って、安心して治療を受けよう

制度をうまく使おう

インプラントは、ただ高いだけの治療じゃありません。しっかり噛めて、見た目も自然、生活の質(QOL)を大きく上げてくれる存在です。

でも、費用が心配でためらってしまうのはもったいない…!

以下のポイントを意識すると◎です。

クリニックで費用や控除の説明をしっかり聞く

医療費控除を活用する前提で領収書を保管

事前に「保険適用になり得るか」相談する

制度を活用すれば、費用の不安はグッと減ります。賢く準備して、自分に合った治療を選びましょう!

迷ったらまず相談を!後悔しないためにできること

まず相談

「インプラントって高いからやめようかな…」と迷う前に、一度しっかり情報を集めてみてください。

歯科医院ではカウンセリングを無料で行っているところもあります

医療費控除については、受付や会計担当が丁寧に説明してくれることが多いです

税務署に電話で聞くだけでも不明点が解消されることもありますよ。

ちょっとの行動で、将来の後悔を減らせるなら…やってみる価値はありますよね!

まとめ

インプラント治療は費用が高く感じられるかもしれませんが、「医療費控除」や「保険適用」の可能性を知ることで、経済的負担を軽減できます。
患者さん自身が制度をうまく活用することで、より納得して安心できる治療を受けられます。

「どうせ自費だから…」とあきらめず、まずはクリニックで相談してみてくださいね。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

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クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック