矯正歯科

八重歯はデメリットが多いの?

八重歯はデメリットが多いの?

八重歯は一部で「かわいい」と評価されることもありますが、実際にはさまざまなデメリットが存在します。八重歯の原因や放置することによるデメリットについてご説明します。

八重歯とは?

尖った犬歯が歯列から前に飛び出している状態を一般的には八重歯といいます。正確には八重歯とは、「生えている位置に異常がある歯」を指し、どの歯であっても位置がずれて生えている場合は八重歯と呼ばれます。特に犬歯が八重歯として生えることが多いため、「犬歯=八重歯」というイメージが定着しています。

八重歯が生じる原因

八重歯が生じる主な原因は以下の通りです。

永久歯の生えるタイミングの遅れ

犬歯は他の歯に比べて永久歯が生え始める時期が遅いため、生えるためのスペースが足りなくなってずれた位置に生えることがあります。

顎の骨の大きさ

顎の骨が小さいと、歯が生えるスペースが狭くなり、結果として全ての歯がきれいに並ぶだけのスペースが足りなくなって、八重歯になりやすくなります。

遺伝的要因

家族に八重歯が多い場合、遺伝的に同じような歯並びになる可能性があります。

生活習慣

指しゃぶりや舌癖などの習慣が歯を押して、歯の位置に影響を与えることがあります。

八重歯を放置することによるデメリット

八重歯を放置することによるデメリットは、見た目の問題にとどまらず、口腔内の健康や全身の健康にまで影響を及ぼします。それぞれのデメリットには以下のような点があります。

1. 虫歯や歯周病のリスクが高まる

八重歯は歯が部分的に重なって生えているため歯磨きが難しくなります。その結果、次のような問題が生じます。

歯垢が溜まりやすい

八重歯の周囲には歯ブラシが届きにくいため、歯垢がたまりやすくなります。その結果、虫歯や歯周病のリスクが増加します。

歯間の掃除がしにくい

歯が重なって生えていると、デンタルフロスや歯間ブラシの使用が難しく、歯間に食べ物のカスが溜まりやすくなります。

2. 噛み合わせの悪化による負担増加

八重歯は正常な噛み合わせを妨げるため、次のような問題を引き起こします。

他の歯への過度な負担

八重歯が原因で噛む力が不均等になると、特定の歯に過度な負担がかかります。その結果、知覚過敏やひびや割れが起きやすくなります。

咀嚼力の低下

噛むことが難しくなるため、食べ物を塊のままで飲み込むことが増え、消化不良や胃腸の負担を招く可能性があります。

3. 口内環境の悪化

八重歯が原因で口腔内のケアが行き届かないと、以下のような問題が発生します。

口臭の原因に

歯垢や食べ物のカスが溜まり、細菌が繁殖しやすくなります。この細菌が原因で口臭が発生します。

口内炎や歯肉炎のリスク

八重歯が唇や頬の内側に当たって繰り返し口内炎ができたり、歯肉炎を引き起こすことがあります。

4. 審美的な問題による心理的負担

八重歯が目立つ場合、以下のような心理的な問題が生じることがあります。

自己肯定感の低下

八重歯を「かわいい」と捉える文化もありますが、本人がコンプレックスと感じる場合、口を開けて笑うことをためらい、自己肯定感が低下することがあります。

社会的な影響

特に対人関係において、歯並びが悪いことがマイナスの印象を与える場合があります。

5. 全身への影響

お口の中の問題が全身の健康に影響することもあります。

姿勢や筋肉への影響

噛み合わせの乱れが原因で顎関節症を引き起こすと、肩こりや頭痛、腰痛といった症状が現れることがあります。

心臓疾患や糖尿病との関連

口腔内の慢性的な炎症が、全身疾患のリスクを高めることが近年の研究で示されています。

6. 発音への影響

八重歯があると舌の動きが制限され、発音が不明瞭になることがあります。特に以下のような音が影響を受けることがあります。

  • 「サ行」や「タ行」など、舌先を使う発音
  • 「シ」や「チ」など、歯列が発音に関わる音

八重歯を放置することで様々なデメリットが起こり、見た目の問題だけでなく、お口の中の健康、全身の健康、さらに心理的な問題にもつながります。これらの問題を予防するためには、早めに歯科医院で相談し、適切な治療を受けることが重要です。

八重歯の治療方法

八重歯の治療には以下の方法があります。

ワイヤー矯正

歯にブラケットを貼り付け、ワイヤーで歯を移動させる一般的な矯正方法です。重度の八重歯にも対応可能ですが、装置を付けた時の見た目が気になる場合があります。

マウスピース矯正

透明なマウスピースを使用して歯を動かす方法で、見た目が気にならず、取り外しが可能です。ただし、重度の不正咬合には適応出来ない場合があります。

セラミック矯正

歯を削ってセラミックの被せ物を装着して歯列を整える方法です。短期間で治療が完了しますが、健康な歯を削る必要があります。

まとめ

八重歯は見た目の問題だけでなく、お口の中や全身の健康にも影響が及ぶ可能性があります。早めの矯正治療を検討し、健康的な歯並びを手に入れることが大切です。

 

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

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クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック