入れ歯

入れ歯が合っていないときの症状とは?

入れ歯が合っていないときの症状とは?

入れ歯が口に合わない場合、さまざまな問題が発生することがあります。特に、痛みや不快感、噛む力の低下、発音の障害など、生活の質に大きな影響を与えることが多いです。入れ歯が合っていないときに現れる症状と、その原因や対処法についてご説明します。

入れ歯が合っていないときに起こる一般的な症状

入れ歯が合っていないときには、患者さんにさまざまな症状が現れることがあります。これらの症状は生活の質を低下させるため、早めの対応が重要です。代表的な症状は以下のようなものです。

  • 痛みや圧迫感・・入れ歯が歯茎や顎に強く当たることで痛みが生じます。
  • 食べ物が噛みにくい・・入れ歯がずれてしまうため、食べ物を十分に噛むことができなくなります。
  • 発音が難しい・・入れ歯が動くことで発音が不明瞭になることがあります。
  • 歯茎の炎症や口内炎・・入れ歯の不適合によって口腔内に炎症が起こることがあります。
    入れ歯が緩んで外れやすい・・合っていない入れ歯は、動きやすく、外れやすくなります。

これらの症状は、生活を送るうえでの不便を感じるため、対処が必要です。放置すると症状が悪化する可能性もあります。

痛みや不快感が生じる原因

1. 顎の疲労感と筋肉の緊張

入れ歯のフィットが悪いと、食事や会話の際に顎や周囲の筋肉が過剰に働く必要があり、結果として疲労感や痛みを感じることが多くなります。これは、入れ歯がしっかりと固定されていないため、顎が不自然な動きを強いられ、筋肉に余計な負担がかかるためです。

左右の筋肉バランスが崩れている

入れ歯が片側だけでよく噛める状態であると、左右の筋肉にかかる負荷が不均衡になります。このような偏った使用は、片側の咬筋や側頭筋が過剰に働く結果となり、筋肉が緊張して痛みや疲労を感じやすくなります。

顎関節が疲労している

筋肉が疲労するだけでなく、入れ歯のズレやフィットの悪さが顎関節自体に影響を及ぼし、関節に負荷をかけるため、食事や会話のたびに顎関節が疲労してしまうこともあります。

2. 入れ歯が動くことで起こる摩擦と痛み

入れ歯がしっかりとフィットしていないと、使用中にずれて動くことがあります。この動きが口の中の柔らかい組織や歯茎に摩擦を引き起こし、痛みや炎症を生じることがあります。

歯茎に炎症が起こっている

入れ歯がフィットしていないと、動くたびに歯茎をこすり、次第に炎症や傷が生じることがあります。特に歯茎の部分が赤く腫れたり、出血したりすることもあります。

口内の粘膜が傷ついている

入れ歯が緩い場合、食事の際に入れ歯が動き、口内の粘膜を挟んでしまうことがあります。このことが原因で痛みや潰瘍ができる可能性があります。

3. 咬合力の低下

入れ歯が正しくフィットしていないと、噛む力が十分に発揮できないため、食事がしにくくなることがあります。噛み合わせが不十分な状態では、固いものを噛むのが難しく、十分に咀嚼できないことから消化不良の原因になることもあります。

噛む力が弱まっている

入れ歯の位置が正しくないと、食べ物を噛み砕く際に力が分散され、結果として噛む力が低下します。これにより、食事の満足感が減り、硬い食べ物を避ける傾向が強くなります。

消化不良を起こしている

十分に噛まれない食べ物は、消化器官に過度な負担をかけるため、消化不良や胃の不調を引き起こすことがあります。特に、食べ物を小さく砕けないことで胃腸に負担がかかり、健康面でのリスクが高まります。

4. かみ合わせがアンバランスになることによる影響

フィットの悪い入れ歯は、かみ合わせが不均衡になることがあります。この不均衡なかみ合わせは、顎関節だけでなく、口の周囲の筋肉や骨に悪影響を与えます。

顎関節に負担がかかる

かみ合わせが不均衡になることで、片方の顎関節に過度な負荷がかかり、痛みや疲労を引き起こします。特に、片側の咬み合わせが強くなることで、顎が常に片方に引っ張られるような感覚を感じることがあり、これが顎関節症の発症リスクを高めることがあります。

お顔に歪みが出ることがある

入れ歯のかみ合わせが長期間不均衡な状態で続くと、顎や顔の筋肉の使い方が変わり、最終的に顔の左右バランスが崩れてしまうことがあります。これにより、見た目にも影響が現れる可能性があります。

5. 話しにくさや滑舌が悪くなる

入れ歯がうまくフィットしていないと、会話がしづらくなることもあります。これは、入れ歯が正しい位置に固定されていないため、舌や口の動きが制限され、滑舌が悪くなるためです。

発音がしづらくなる

特にSやTなどの歯の近くで発音する音がうまく出ないことがあります。入れ歯が動くことで言葉を発する際にズレが生じ、正確に発音できない場合があります。

話していると入れ歯が動いてしまう

入れ歯が会話中に動くことで、話すこと自体が不快になることもあります。これにより、入れ歯を気にしながら話すため、発音に集中できず、話す内容もスムーズに伝えられなくなることがあります。

このように、入れ歯がフィットしていないと、お口の中だけでなく、顎や筋肉、さらには全身にまで影響を及ぼす可能性があります。入れ歯の適切な調整と定期的なメンテナンスを行うことで、これらの問題を予防し、快適な入れ歯生活を維持することができます。

入れ歯の動いてしまう時の発音の問題

入れ歯が合っていない場合、お口の中で動きやすく、発音にも影響が出ることがあります。特に以下のような問題が見られます。

会話中に入れ歯がずれる

会話をしている最中に入れ歯がずれてしまい、発音が不明瞭になることがあります。特に「さ行」や「た行」の発音が難しくなる傾向があります。

舌が入れ歯にぶつかる

入れ歯が合っていないと、舌がスムーズに動かなくなり、正しい発音ができなくなります。

このような問題は、入れ歯が安定していないと発生しやすく、人と話すときにストレスの原因となることが多いです。

食事中の違和感と噛みにくさについて

入れ歯が合っていないと、食事中にも多くの問題が発生します。食べ物を噛むことが難しくなるため、食べるスピードが遅くなったりして、親しい方との会食を楽しむことができなくなる場合もあります。

硬い食べ物が噛めない

入れ歯が緩んでいると、硬い食べ物を噛むのが非常に困難になります。また、噛むときに痛みが生じることもあります。

食べ物が隙間に入り込む

入れ歯と歯茎の間に食べ物が入り込みやすく、これがさらなる不快感を引き起こす原因となります。

食べ物を塊のまま飲み込んで胃腸に負担がかかる

良く噛めないので、つい食べ物を十分に噛んで小さくする前に飲み込んでしまうことが増えてきます。そのため、食べ物の塊を消化するために胃腸に負担がかかり、消化が悪くなることがあります。

このように、食事のたびにストレスを感じるようになり、食生活にも悪影響が出ることがあります。

お口の健康に与える影響

入れ歯が合っていないと、口腔内の健康にも悪影響を及ぼします。歯茎や他の部分に炎症が起こりやすく、歯垢が溜まりやすくなるため、お口の中の衛生状態が悪化します。

歯茎の炎症が起こる

入れ歯が歯茎に強く当たると炎症が起こり、最終的には歯茎の腫れや出血を引き起こすことがあります。

歯垢がたまる

入れ歯が合っていないと、適切な歯磨きが難しくなり、歯垢が溜まりやすくなります。これがさらなる口腔内のトラブルを招く要因となります。

口内炎や傷が出来る

入れ歯が動くことで、口内の柔らかい組織に傷をつけることがあり、これが感染症のリスクを高めます。

口腔内の炎症や歯垢の蓄積は、早めに対処しないと深刻な口腔疾患につながる可能性があるため、定期的な健診を必ず受けるようにしましょう。

入れ歯が合っていない場合の対処法とは?

入れ歯が合っていない場合、歯科医院での調整が必要です。適切な処置を受けることで、これらの問題を改善することができます。以下は主な対処法です。

  • 定期的な調整・・入れ歯は時間とともに歯茎や顎の形状に合わなくなることがあります。そのため、定期的に歯科医院での調整が必要です。
  • 健診の受診・・口腔内の状態をチェックし、歯垢や歯茎の状態を確認するために、3~6ヶ月に一度の健診を受けましょう。
  • 正しい歯磨きの実践・・入れ歯を使用している場合でも、口腔内を清潔に保つために、正しい歯磨きが必要です。

入れ歯の使用がどうしても困難な場合は、ブリッジやインプラントなどの他の治療法を検討する必要があります。歯科医師と相談し、ご自身に最適な治療法を選ぶことが大切です。

まとめ

入れ歯が合わないことによる不快な症状は、毎日の生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。痛みや違和感を感じた場合は、歯科医院での調整が必要です。また、定期的な健診や正しい歯磨き習慣を取り入れることで、入れ歯のトラブルを防ぐことができます。

入れ歯が合わない場合でも、早めに対処することで快適な生活を取り戻すことができるので、歯科医師にご相談ください。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

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クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック