歯と口の基礎知識

歯医者に行くべきタイミングとは?

歯医者に行くべきタイミングとは?

日ごろ歯医者に通いなれておられない場合、どのタイミングで歯医者に行くべきか迷うことがあるかもしれません。特に症状がない場合でも、放置することで虫歯や歯周病などが進行し、治療が難しくなることがあります。歯医者に行くべきタイミングやその重要性についてご説明します。

定期的な歯科健診の重要性

健康な歯を保つためには、定期的な歯科健診が欠かせません。虫歯や歯周病などの問題は、症状が現れたときには既に進行していることが多いため、早期発見と早期治療が非常に重要です。歯の表面に歯垢が蓄積してしまうと、家庭での歯磨きでは取りきれない場合があります。この歯垢はやがて歯石となり、歯周病や口臭の原因になります。

理想的な健診の頻度

一般的には、3?6ヶ月に一度のペースで健診を受けることが推奨されています。これは、定期的にプロによる歯のクリーニングや早期の問題発見ができるためです。

痛みや違和感を感じたとき

歯や歯茎に痛みや違和感を感じたら、早めに歯医者を訪れることが大切です。特に、食事中に痛みを感じたり、冷たいものや熱いものを摂取した際に敏感になる場合、それは虫歯や知覚過敏の可能性があります。放置してしまうと、症状が悪化し、歯の神経まで達してしまうこともあります。

痛みの原因となりうる代表的な症状

  • 虫歯の進行
  • 歯肉炎や歯周病の悪化
  • 歯の破折

これらの症状が悪化すると、治療にかかる時間や費用も増加します。痛みが軽度なうちに治療を受けることで、患者さんの負担を軽減できます。

歯茎に腫れや出血がある場合

歯磨き時に歯茎から血が出たり、腫れを感じる場合は、歯周病の初期段階の可能性があります。歯周病は放置すると歯を失う原因となるため、早めに歯医者で診てもらいましょう。特に、初期段階では痛みがないことが多く、気づかないうちに進行してしまうことがあります。逆に初期段階で治療できれば、比較的早く歯茎の状態が改善します。

歯周病の初期症状

  • 歯茎の腫れ
  • 歯茎の出血
  • 口臭の悪化

これらの症状を見逃さないことが、健康な歯と歯茎を保つポイントです。

歯の変色や歯垢が気になる場合

日常的な歯磨きをしていても、歯の変色や歯垢が蓄積してくることがあります。特にコーヒーや紅茶、タバコなどの摂取が多い人は、歯の変色が気になり始めることがあるでしょう。このような場合は、歯医者でのクリーニングが効果的です。歯垢や歯石は家庭でのケアでは取りきれないため、定期的なプロの手によるクリーニングが必要です。

また、歯の表面に小さな変色が起こったときは、虫歯になっている可能性もあります。

歯の変色や歯垢が溜まる原因

  • 食事や飲み物による着色
  • プラークが歯石に変わる
  • 不適切な歯磨き方法
  • 虫歯が出来ている

歯の噛み合わせに違和感がある場合

噛み合わせに違和感がある場合、歯の位置や歯並びが原因となっている可能性があります。噛み合わせが悪いと、食べ物を上手く噛み切れなかったり、顎に負担がかかり、頭痛や肩こりを引き起こすこともあります。さらに、歯の擦り減りや歯の破折を引き起こすこともあり、早期に治療することが大切です。

噛み合わせが悪いときのリスク

  • 顎関節症
  • 歯の摩耗
  • 筋肉の緊張

矯正治療を通じて、歯並びを整えることで噛み合わせを改善し、これらの症状を予防できます。

親知らずが痛み始めたとき

親知らずが生え始めると、痛みや腫れを感じることがあります。親知らずは斜めや横向きに生えてくることが多く、周囲の歯に影響を与えることもあります。放置しておくと、隣の歯を圧迫して歯並びが崩れたり、炎症が広がることもあるため、早めに歯医者で診断を受けることが必要です。

親知らずの抜歯が必要なケースの例

  • 痛みや腫れが頻発する
  • 噛み合わせに影響を及ぼす
  • 歯茎が炎症を起こしている
  • 親知らずが隣の歯を押している
  • 親知らずが虫歯になった

詰め物や被せ物が外れたとき

歯に詰め物や被せ物をしている場合、これが外れたときはすぐに歯医者に行くべきです。外れたまま放置すると、虫歯が再発するリスクが高まり、歯の状態が悪化してしまいます。

詰め物や被せ物が外れた際の応急処置

  • 外れた詰め物を保存しておく
  • 無理に自分で直そうとしない
  • できるだけ早く歯医者に連絡する

放置することで、詰め物があった部分が虫歯になりやすくなります。また、詰め物が外れる原因には、歯の摩耗や詰め物の劣化も考えられるため、3~6ヶ月毎に定期的健診を受けるようにしましょう。

重度の虫歯、歯がボロボロの方へ

歯の状態がひどくなりすぎると、かえって歯医者に行きづらくなるかもしれません。あまりにひどい状態だと、歯医者から叱られるのではないかと心配される患者さんもおられます。

しかし、歯医者は患者さんの歯を修復し、噛める状態に戻すことが仕事ですので、患者さんのお口を見てまず思うのは、どうやって治療しようか?ということです。実際に毎日多くの患者さんの歯を削ったり詰めたりしていますので、どうかご心配なさらずに、早めに受診なさってください。

歯全体がボロボロの状態では、治療期間が少し長めにかかる場合もありますし、歯を修復するための方法や材料の選択によっては、少し費用が多くかかってしまう場合もあります。そんな場合は、患者さんのご希望をお聞きした上で、いくつかの選択肢を提示させていただきますので、ご安心くださいね。

まとめ

歯医者に行くタイミングを見極めることは、歯の健康を長く保つためには大切なことです。定期的な健診だけでなく、痛みや違和感、歯茎の腫れや出血、噛み合わせの問題など、何か気になる部分があれば、早めに診てもらうようにしましょう。

早期発見・早期治療によって、症状が悪化する前に対処でき、将来的な治療の負担を減らすことができます。症状がある場合は歯医者に相談し、適切なケアを受けるようにしましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

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クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック