インプラント

インプラントはやめたほうがいい?

インプラントはやめたほうがいい?

インプラントをやめたほうがいい?と悩まれるケースも少なくありません。虫歯や歯周病、外傷などで歯を失った方の義歯治療として挙げられるのが、インプラント、ブリッジ、入れ歯です。この三種類の治療法のうち自立して存在できるのが、人工歯根を顎骨に埋入するインプラントです。インプラント治療とは何か、インプラント治療のメリット、デメリット、代替治療法などを含めて詳しくご紹介いたします。

インプラント治療とは

インプラント治療は、すべての人がインプラントに適しているわけではなく、下記のような特徴があります。

手術が必要である

  1. インプラントは人工歯根(フィクスチャー)を埋入する外科手術を行い、顎骨と人工歯根を結合させます。
  2. 連結部分(アバットメント)を人工歯根に入れて、歯肉の安定化を図ります。
  3. 最終の型採り後、人工歯(上部構造)を接着します。

1回法では、インプラント体を埋入してアバットメントを入れるまでを1回で行います。2回法では、フィクスチャーを入れてから結合まで3ヶ月から半年位待った後、結合を確認し、もう一回アバットメントを入れるために歯茎を切開してアバットメントを入れる工程になります。

顎骨の量が足りないければ他の治療を行う必要がある

インプラント前には精密検査を行います。

  • 顎の骨が少ない
  • 顎の骨の高さが足りない
  • 顎の骨が薄い

このような方は、インプラントを埋入しても顎骨から突き抜けて感染症や出血の事故が起きて失敗する可能性があるため、骨量を増やす骨造成という治療をインプラントの手術前に行わなければなりません。

全身疾患と服薬の場合は担当医の許可が必要である

糖尿病や心臓疾患、骨粗しょう症など、インプラント手術に影響を与える全身疾患がある場合は、合併症のリスクが高まります。服薬を一時的に止めることが可能かなど担当医に許可を得て行わなければならず、患者さんの状態によってはインプラント治療が難しいことがあります。

治療費が高く治療期間が長い

治療費が高く、治療期間が長い理由をご案内します。

治療費が高い

他の義歯治療(入れ歯やブリッジ)には健康保険適用の材料があるのに対して、インプラント治療は全て自由診療に該当します。そのため自己負担額が高額であり、費用に見合った効果や維持が可能か考えなければなりません。健康保険が適用されないことが多いため、自己負担が大きくなります。先天性の疾患であると認められた場合、インプラントは健康保険適用になりますが、きわめてまれなケースです。

治療期間が長い

インプラント治療は顎骨の状態により、一回法で短期間で終わらせることが難しい方が多いです。人工歯根を埋入後に骨としっかり結合するまで数か月待つ必要があります。その後に連結部分や人工歯間に複数回の通院が必要で、治療が完了するまでの時間が長いです。

インプラントをやったほうがいい?やめたほうがいい?

やったほうがいいか、やめたほうがいいかについては、患者さんのご希望が大きく反映されます。

インプラントをやったほうがいいケース

ご希望は何か?

  • 見た目では人工歯とわかりにくい美しいお口元を望まれる
  • 噛んだり話したりする際に安定した状態であってほしい
  • 毎日のお手入れが楽である

ちゃんとデメリットに納得できるか?

  • 麻酔や手術を行わなければならない
  • 他の義歯治療に比べて治療期間が長い傾向にある
  • 3~6ヶ月ごとに定期的にメンテナンスをしなければ維持できない

デメリットを理解したうえでインプラントを望まれる患者さんの場合、行ったほうが良いと思われます。

インプラントをやめたほうがいいケース

  • オーラルケアを毎日丁寧に行えない
  • 仕事や学校などで忙しくて定期的に通院できない
  • 手術に対する恐怖心がぬぐえない

手術に対して、恐怖心がない方は少ないです。一抹の不安がある場合、無理にインプラントに踏み切らず、一度スタッフやドクターへ相談しましょう。症例経験が豊富な医院で安全に治療ができ、安心して治療を受けることがとても大事です。

インプラントの代替治療法

インプラントが適さない場合、他の選択肢があります。

ブリッジ

ブリッジは、失った歯の両側の健康な歯を支えにするため削り、連結した人工歯を装着する治療法です。インプラントに比べて手術が不要で治療期間が短いですが、隣の健康な歯を削るリスクがあります。

入れ歯

入れ歯は取り外しが可能な義歯で、部分入れ歯や総入れ歯など範囲が異なります。費用が比較的安く、インプラントよりも手軽な治療法ですが、固定力や見た目、咬む力が劣ります。

まとめ


「インプラントはやめたほうがいいのか?」という疑問に対する答えは、患者さんの状況によって異なります。顎骨の状態や全身の健康、日常のオーラルケアが適切に行われていない場合、インプラント治療はリスクが伴うため避けるべきかもしれません。代替治療として、ブリッジや入れ歯などがありますので、信頼できる歯科医院でよく相談し、自分に合った最適な治療法を選ぶことが大切です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

▶プロフィールを見る

クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック