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前歯のブリッジがグラグラする原因と対策

前歯のブリッジがグラグラする原因と対策

前歯のブリッジがグラグラしている場合は、もし外れてしまうと見た目に大きな影響があるため、なるべく早い治療が必要です。前歯のブリッジがグラグラする原因とその対策についてご説明します。

ブリッジとは?

ブリッジは、失った歯の機能と見た目を補うために、両隣の歯を使って橋渡しをするように固定する3本連結の人工歯です。ブリッジを使用することで、見た目の改善や噛む機能の回復が期待できますが、ブリッジを長く使うためには適切なケアやメンテナンスが必要です。

ブリッジの基本的な治療の流れ

1. 初診と診断

まず、歯科医師による初診が行われます。ここで患者さんの症状や過去の治療歴、口腔内の状態を詳しく確認します。レントゲン撮影や歯周ポケットの測定などの検査も行い、ブリッジがグラグラする原因を特定します。

2. 治療計画の立案

診断結果に基づき、患者さんの状況に最適な治療計画を立案します。歯周病が原因の場合は歯周病の治療を優先し、噛み合わせの問題がある場合は調整を行います。また、ブリッジの交換や再装着が必要な場合もあります。

ブリッジがグラグラする原因

1. 歯周病

歯周病が進行してブリッジの周囲の歯茎が下がると、ブリッジが支える歯も不安定になります。奥歯はものが噛めなくなり、前歯は見た目に関わるため、早期の治療が重要です。

2. 虫歯

ブリッジを支える歯が被せ物の内部で虫歯になってしまったことが原因でブリッジがグラグラする場合は、発見が遅れて虫歯がかなり進行しているケースが多く虫歯の治療にも時間がかかります。

3. 噛み合わせの問題

ブリッジの装着時に噛み合わせが正しく調整されていない場合、過度な力がかかり、歯やブリッジに負担がかかります。これが原因で歯が揺れることがあります。

4. ブリッジの劣化

長期間使用しているブリッジは、経年劣化や破損により安定性が低下することがあります。特に20年以上使用している場合は、再装着や交換を検討する必要があります。

グラグラのブリッジを放置するリスク

1. 歯の損失

ブリッジが不安定な状態で放置すると、支えている歯や周囲の歯にも悪影響を及ぼし、最悪の場合、ブリッジの支台となっている歯を抜歯しなければならないことがあります。

2. 歯周病や虫歯のリスク

不安定なブリッジは歯茎や歯の隙間に食べ物が詰まりやすく、これが原因で細菌が増えて歯周病や虫歯を引き起こすことがあります。これにより歯茎の炎症や歯の痛みが生じます。

対策と治療法

1. 歯周病の治療

歯周病が進行している場合、まずは歯石や歯垢を除去するスケーリングと、歯根面を滑らかにするルートプレーニングを行います。これにより、歯茎の炎症を抑え、健康な状態を取り戻すことができます。

2. 虫歯の治療

一旦ブリッジを外して虫歯の治療を行い、型取りをして新しいブリッジを製作し、歯に装着します。虫歯の進行により支台の歯が抜歯になってしまうケースでは、更に隣の歯を削って、より大きなブリッジにする必要があります。

3. 噛み合わせの調整

噛み合わせの問題がある場合は、歯科医師に相談して噛み合わせを調整してもらうことが重要です。適切な調整を行うことで、ブリッジにかかる負担を軽減できます。また、顎関節症を発症していないかもチェックしてもらいましょう。

1. 咬合状態の確認と調整

噛み合わせの問題がある場合、歯科医師は咬合状態を確認し、調整を行います。咬合紙や歯型データの分析を用いて、噛み合わせを調整します。

2. マウスピースの使用

夜間の歯ぎしりや食いしばりが原因で噛み合わせが悪化することもあります。こうした場合、ナイトガードと呼ばれるマウスピースの使用を指導されることがあります。これにより、歯やブリッジに過剰な力がかかって損傷するのを防ぎます。

4. ブリッジの再装着や交換

ブリッジの劣化が原因であれば、再装着や新しいブリッジへの交換が必要です。最新の素材や技術を用いることで、より長持ちするブリッジを手に入れることができます。

1. ブリッジの除去とクリーニング

古いブリッジを取り外し、残存している歯や歯茎をクリーニングします。歯石や歯垢を完全に除去し、健康な状態であるか確認します。

2. 新しいブリッジの装着

新しいブリッジを作製して装着します。ジルコニアやセラミックなどの耐久性と審美性に優れた素材を選択することで、より自然な見た目と長持ちするブリッジを作ることが出来ます。

3. フィット感の調整

新しいブリッジの装着後、患者の噛み合わせやフィット感を確認し、必要に応じて微調整を行います。これにより、快適な使用感と正しい噛み合わせを実現します。

ブリッジのケア方法

日常的なケア

ブリッジを長持ちさせるためには、日常的なケアが欠かせません。歯磨きやデンタルフロスを使って、ブリッジ周囲の清潔を保ちましょう。

定期的な歯科健診

定期的な歯科健診を受けることで、ブリッジの状態をチェックし、問題があれば早期に対処することができます。少なくとも半年に一度は歯科医院を訪れて定期健診を受けましょう。定期健診の頻度は、歯科医師か歯科衛生士の意見を参考にして下さい。

【動画】前歯のブリッジがグラグラする患者さんの例

まとめ

前歯のブリッジがグラグラする問題は、見た目や生活の質に大きな影響を及ぼします。しかし、適切なケアや治療を行うことで、この問題を解決することができます。もし前歯のブリッジに不安を感じたら、早めに歯科医師に相談することをおすすめします。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

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クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック