矯正歯科

インビザラインに注意点はある?

インビザラインに注意点はある?

インビザラインは、見た目にも自然で取り外しが可能な透明な歯列矯正器具です。従来の金属製の矯正器具とは異なり、目立たないため、大人の矯正治療にも人気があります。しかし、インビザラインを使用するにあたっては、いくつかの重要な注意点があります。これらの点を理解し、適切に対応することで、治療の成功率を高めることができます。

インビザラインを選ぶ前に考えるべきこと

インビザラインは多くの人に支持されているマウスピース型矯正装置ですが、開始する前に明らかにすべきいくつかの重要な点があります。治療を決める前に、具体的な治療方法、費用、時間、そして歯科医選びの重要性を理解することが不可欠です。

1. 歯科医との相談の重要性

専門家による診断が必要

インビザラインでの治療はすべての人に適しているわけではありません。まず歯や噛み合わせの問題がインビザラインによって改善可能かどうかを知る必要があるため、歯科医との十分な相談が必要です。

治療計画のカスタマイズが必要

インビザラインは患者さんの歯の状態に対して最適な治療が行えるように、クリンチェックという画面で治療内容をカスタマイズします。

歯科医は口腔内スキャンを使用して患者さんの3Dの歯型データを撮り、クリンチェックに読み込ませて治療計画を作成します。この段階で、期待できる結果や治療期間や費用が明らかになります。クリンチェックの内容はかなり細かくカスタマイズ出来、担当の歯科医師の経験によってかなり内容が違います。

2. 費用と期間の見積り

特に費用に関することは重要ですので、治療前に細かい点も尋ねて明らかにしておきましょう。

治療費

インビザラインは自由診療なので、費用は歯科医院によって異なります。また、患者さんの不正咬合の状態によって治療費用も変動する可能性があるため、開始前に見積りを取ることが重要です。

治療費には、マウスピースの交換費用、定期的な検査費用などが含まれることが一般的です。当院では、2ヶ月に一度程度の調整のための来院費用は、来院の都度発生します。治療終了後のリテーナーの代金は、医院によって初期費用に含まれている場合と、治療終了後に発生する場合に分かれます。

治療期間

歯の状態や治療の複雑さに応じて、インビザラインの治療期間は変わります。平均的な治療期間は1~2年程度ですが、それ以上かかることもあります。

インビザライン使用時の注意点

1. アライナーの装着時間と頻度

インビザラインのアライナー(マウスピース)は、1日に20~22時間以上の装着が推奨されます。これを守らないと計画通りに歯が動かない為、治療期間が延長する可能性があります。また、外している時間が長いとせっかく動いた歯が後戻りを起こしますので、装着時間は必ず守りましょう。

2. 装着時間と頻度の厳守

最低限の装着時間は?

インビザラインの効果を最大限に発揮するためには、1日に20~22時間以上の装着が必要です。これを守らないと、治療期間が延長されたり、期待される結果が得られなかったりする可能性がありますが、飲食を伴うパーティーやレセプションなど、特別なイベントのある日には、どうしても20時間の装着時間が守れない場合が出てきます。

そんな時は、イベントを楽しみつつ、別の日になるべく長時間装着できるようにしましょう。

外すタイミングも計画的に行う

食事や歯磨きの際にのみインビザラインを外し、それ以外の時間は必ず着用しましょう。

3. アラーナーを清潔に保つ方法

食事や間食の時にきれいに洗う

インビザラインを清潔に保つためには、出来る限り食事のたびに歯磨きし、アライナーも洗いましょう。定期的にインビザライン専用のクリーナーで洗うと清潔な状態をキープ出来ます。

定期的なアライナーの交換

指示されたスケジュールに従って、新しいアライナーに定期的に交換しましょう。アライナーが汚れたり、破損したりすると、治療の効果が損なわれる可能性があります。

4. 食事と飲み物への対応

食事の時には必ず外す

食事時はインビザラインを外す必要があります。付けたままでものを噛むと、アライナーの変形、損傷のリスクがあります。また、色の濃い飲み物は着色の原因となるため、アライナーを外すか、ストローを使いましょう。

色のつく飲み物に注意

コーヒー、紅茶、赤ワインなど色のつく飲み物を飲む際には、インビザラインを外すか、ストローを使用することをお勧めします。これは、アライナーが着色汚れを起こしやすいからです。アライナーが着色汚れでくすんだ色になると、歯が汚れたように見えてしまいます。

5. スポーツや運動の時の対策

スポーツの時は付けたままで良いのか

接触スポーツをする際には、インビザラインを外してマウスガードに交換することを検討してください。これにより、アライナーを保護し、口腔内の怪我のリスクを減らすことができます。

インビザライン治療中のお口のケア

正しいブラッシング方法

インビザラインをつけている時は、歯に唾液が行き渡らない為、虫歯になりやすい状態になっています。そのため、アライナーを歯に装着する前には出来る限り歯磨きとアライナーの洗浄を行い、清潔な状態で装着しましょう。

歯と歯茎を清潔に保つために、やわらかめの歯ブラシで丁寧に汚れを落とし、アライナーもやわらかいブラシで軽くこすりながらきれいに洗いましょう。

デンタルフロスの使用の重要性

1日に1回、夜の歯磨きの際に、デンタルフロスでのケアも追加しましょう。歯と歯の間は汚れがたまりやすく、歯ブラシで落としにくい場所です。歯が重なっていたり、歯と歯の間に隙間があると、食べ物のカスがたまりやすくなりますので、就寝前のケアできれいに除去し、虫歯や歯周病のリスクを減らしましょう。

インビザライン使用後の注意点

1. リテーナーの使用

治療終了後は歯が動きやすい状態ですので、歯が元の位置に戻らないようにリテーナーを使用しなければなりません。リテーナーを付けたり外したりするタイミングは、担当の歯科医師の指示に従って行いましょう。

2. 定期的な歯科健診

定期的な健診によって、歯に後戻りが起こっていないかを確認し、歯垢や歯石を除去するためのクリーニングを受けます。定期健診を受けることは、虫歯や歯周病の早期発見、早期治療を行うために重要です。

まとめ

インビザラインは効果的な歯列矯正の治療法ですが、患者さん自身の自己管理が大切になります。1日のアライナーの装着時間やセルフケアは、患者さん自身の手によって行わなければなりません。ご自分で管理する自信がない方には、固定式のワイヤー矯正をお勧めします。

大阪矯正歯科グループ
この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

▶プロフィールを見る

クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック