インビザラインのアタッチメントが目立つかどうかについては、治療開始直後ならば目立たないが、治療終了間際などになれば、食事によってアタッチメントが変色を起こすため、わずかな着色がみられ、気になる方はおられます。
アタッチメントって目立つ?
インビザラインのアタッチメントが目立つかどうかは、患者さんにとってはとても大事なポイントです。アタッチメントはコンポジットレジンという材質の白い色の突起物で(上記画像は見やすくするためにピンク色表示です)つけた当初は目立つことはありません。
ただ、2週間くらいで新しいものと交換するマウスピース(アライナー)と異なり、アタッチメントは歯に接着してから長く使用するため、色素の濃い飲食(カレー、緑茶、赤ワインなど)により、アタッチメントの周囲に着色汚れが付着してしまうケースは多いです。また、ご自身の歯の色とアタッチメントの色に差があると目立つ場合もあります。
大切なイベントでアタッチメントは取り外し可能?
成人式や結婚式など写真を撮るイベントがある際には、前歯に装着されたアタッチメントを一時的に取り外したいという方もおられます。歯科医院で一時的にアタッチメントを取り外し可能かどうかについては、ご相談ください。(※治療の途中でアタッチメントを着脱しなければならない場合は、追加の費用がかかります)
▼インビザライン矯正についての詳細はこちらをご確認ください
インビザラインで使用するアタッチメントとは
アタッチメントの機能は以下のようなものです。
- マウスピースが浮かないようにする
- 歯の動きの固定源となり歯の移動が円滑になる
どのような歯並びの問題(不正咬合)で悩まれているかにもよりますが、中度や重度であればインビザラインの矯正でアタッチメントを使用するケースは多いです。アタッチメントとは歯の表面につける突起でコンポジットレジン(歯科用プラスチック)で作製され、長方形や半円など数種類の形状があり、厚みは5mm以下です。歯にアタッチメントを接着した上からマウスピースを装着します。
iTeroという口腔内のスキャナーで歯型撮影し、治療計画のシミュレーション(クリンチェック)を行います。治療期間中にアタッチメントが取れてしまうことがありますが、そのまま放置すると治療計画通りに歯が動かない原因にもなります。矯正中にアタッチメントが取れた場合は、早めに歯医者さんへご連絡ください。
殆どの症例でアタッチメントは必要
インビザラインの治療をアタッチメントなしで行うのは、軽度の不正咬合の場合のみです。殆どの場合、アタッチメントを使用した方がアライナーと歯の密着感が増し、歯を早く動かせます。
インビザライン矯正では、アタッチメント以外にゴムかけ(上下の歯の噛み合わせを整えるため)、抜歯(患者さんの噛み合わせや歯並びを整えるために小臼歯を抜く処置)などを行う場合があります。
まとめ
インビザラインのアタッチメントが目立つかどうかについては、歯列矯正を開始してすぐですと目立ちません。日常の食事で着色汚れが付いたり、ご自身の歯の色と差が出るケースもあります。アタッチメントは矯正治療終了後には外すものですが、どうしても審美性が気になる場合は歯医者さんへ相談のうえ、クリーニングで着色汚れを落としてもらいましょう。
インビザラインのアタッチメントに関する研究は、以下の通りです。
1. レジンコンポジットの表面摩耗
インビザライン®に必要なアタッチメントは、歯科用コンポジットレジンボタンであり、歯の表面に接着されます。この研究では、インビザライン®アタッチメントの作成に使用される2種類のレジンコンポジット(Filtek Z350 XT、3MESPEおよびAmelogen Plus TW、Ultradent Products Inc.)の6ヶ月間の表面摩耗を評価しました。これらのコンポジットは、その審美性と機械的特性のために選ばれました。40個のアタッチメントが上顎歯の頬側面に接着され、印象が取られました。治療の最初の6ヶ月間でアタッチメント表面の変化が評価され、Filtek Z350 XTと比較してAmelogen Plusの方が表面摩耗の変化が大きかったことが分かりました。しかし、アタッチメントの形状はどちらの材料でも有意に変化しませんでした【G. J. Barreda, E. A. Dzierewianko, K. Muñoz, G. I. Piccoli, 2017】
2. インビザラインアタッチメントの効果と精度
インビザライン®技術の主な目的は、軽度から中等度の歯列混雑問題を治療し、微細なひびを修復することです。最近の研究と開発により、より複雑な不正咬合を治療することが可能になりました。この研究は、2019年から2022年にかけて行われたインビザラインアタッチメントの精度と効果に関する最新の出版物を評価することを目的としています。結果として、インビザラインアタッチメント、透明なアライナー、およびフルテキストの研究は、成長していない患者における軽度から中等度の歯列混雑の非抜歯矯正においてその効果を実証しました【Ahmed Alharbi, A. Alfawzan, Abdullah Alharbi, Abdulmajeed Alharbi, M. Alharbi, 2023】
これらの研究結果から、インビザラインのアタッチメントは、特に審美性と機械的特性において選択されたレジンコンポジットを用いて作成され、治療の初期の6ヶ月間で表面の摩耗が発生することが示されました。しかし、アタッチメントの形状に大きな変化はありませんでした。また、インビザラインのアタッチメントの効果と精度に関する最新の研究では、非抜歯矯正治療におけるその効果が実証されています。これらの情報から、インビザラインのアタッチメントは目立たない場合が多いですが、選択されたコンポジットの種類によっては摩耗による見た目の変化が生じる可能性があることを意識する必要があります。