クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人
ホワイトニングの選び方はとても大切です。ホワイトニングは自由診療であるため、全額自己負担と決して安い金額で行えません。今日は、ホワイトニングの特徴や医院の選び方で何をポイントにすれば良いのかご紹介します。
ホワイトニングの特徴
ホワイトニングとは、むし歯などの細菌感染による健康目的の治療ではなく、歯を白く美しくしたい審美の目的で行う施術です。そのため、ホワイトニングは保険適用外となり、自己負担額100%になり、安く行える施術ではありません。ホワイトニングは主に三種類に分かれます。
- ホームホワイトニング
- オフィスホワイトニング(当院では取り扱っておりません)
- セルフホワイトニング(当院では取り扱っておりません)
ホームホワイトニング
ホームホワイトニングの特徴
- オフィスホワイトニングと比べて、色戻りがしにくい
- オフィスホワイトニングより安い費用で施術が行える
- 白さを実感するのはオフィスホワイトニングより浸透に時間がかかり遅めである
ホームホワイトニングの流れ
- 歯科医院へ通院し患者様の歯型を取り、トレー(マウスピース)を作製する
- ホワイトニングのやり方の指導を受けたうえで、ホワイトニング用の薬剤(過酸化尿素)を処方してもらう
- 担当医の指示通りホワイトニングのジェルをトレーに入れ、歯に装着する
- 決められた時間(1日2時間程度を約1ヶ月以上)の装着を毎日行う
オフィスホワイトニング(当院では取り扱っておりません)
オフィスホワイトニングの特徴
- ホームホワイトニングと比べて1~2回で白さの効果を実感できる
- 通院の時間が必要となるが料金は高い
- ホームホワイトニングに比べて歯の色の後戻りがしやすい
オフィスホワイトニングの流れ
- クリニックへ通院し、歯科衛生士にホワイトニングを行ってもらう
- 薬機法で定められた濃度の高いホワイトニング用の薬剤(過酸化水素)を使用する
- 表面の歯に塗布し、特殊な光を照射し白くする方
セルフホワイトニング(当院では取り扱っておりません)
セルフホワイトニングの特徴
- どのホワイトニングよりも費用は安い
- 国家資格を持たないスタッフしかいないため、お口の中でただれ・痛み・炎症・しみるなど症状が出ても、すぐに対処ができない等安全面について疑問がある
セルフホワイトニングの流れ
- 医療機関ではないネイルサロンや美容院で自分自身でホワイトニングを行う
- サロンにある薬剤や機器を自身で使用するため、他のホワイトニングと比較して費用は安い
- 酸化チタン・重曹・ポリリン酸など漂白成分のない溶液で、歯の表面の着色汚れのみを落とす
効果を求めるならセルフホワイトニングはNG
歯をきれいに白くしっかりとした効果をお求めならば、セルフホワイトニングはやめておくべきです。サロンでは、薬機法により歯の表面の汚れのみを落とす薬剤しか使えないため、歯を漂白する薬剤は使用できません。いくら費用が安いといえ、歯科医院での処方薬剤の効果に比べて、セルフホワイトニングはすぐに着色が起きます。
- 自宅で好きな時間にじっくり白くし、長く効果を実感されたいならばホームホワイトニング
- 通院や予約などある程度時間の制限があるが、短期間で歯を白くされたいならばオフィスホワイトニング
安全性やリスクが明瞭であるのが歯科医院で行うホワイトニングです。セルフホワイトニングはどのようなホワイトニング溶液を使用しているかが不透明で安全性には欠けます。そのような観点からも、ホワイトニングはホームホワイトニングかオフィスホワイトニングをおすすめします。
ホワイトニングをする歯医者さんの選び方
審美歯科でホワイトニングを行う歯医者さんの中から、どのように医院を選べばいいのでしょうか。選び方のポイントについて簡潔にまとめました。
ホワイトニングの施術前に歯科医師が口腔内の状態を診察してくれるか
重度のむし歯や歯周病、歯の表面にひび割れや知覚過敏があると、ホワイトニングの薬剤が染みて痛みを感じてしまいます。そのような状態ではないか、医師の診断を事前に行ってくれるかどうかという問題になります。
料金がわかりやすく設定されているか
希望本数により料金が設定されていたり、基本料金に加算制の医院など、自由診療のため設定はそれぞれ異なります。ただ、費用についても明確でわかりやすいかというのはとても大切です。
ホワイトニング薬剤の濃度
濃度の高い過酸化水素や過酸化尿素を取り扱いできるのは歯科医院のみです。歯の内部からの白さを実感するためには、それらの濃度が必要です。また、信頼のおけるメーカーの薬剤を使用しているかなど、気になる問いに対して説明をしてくれる歯科医院にしましょう。
ホワイトニングの選び方に関するQ&A
ホームホワイトニングでは歯科医院で歯型を取り、自宅でトレーにホワイトニングジェルを装着します。色戻りがしにくく、比較的安価である特徴があります。
オフィスホワイトニングは歯科クリニックで行われる施術で、高濃度の薬剤と特殊な光を使用して歯を白くします。効果が早く実感できますが、費用が高く色の後戻りがしやすいです。
ホームホワイトニングは自宅でじっくり白くし、効果を長く実感したい場合に適しています。一方、オフィスホワイトニングは短期間で歯を白くすることができます。
まとめ
ホワイトニング剤により一時的に歯の表面の保護膜がはがれ、知覚過敏のような症状が起きますし、人工物(被せ物や詰め物)を白くはできません。また、妊娠・授乳中の方、無カタラーゼ症の方、重度の歯周病・虫歯・知覚過敏の方、日光アレルギーの方、テトラサイクリン歯の方などには、ホワイトニングを行えません。
メリットのみではなく、ホワイトニングのリスクやデメリットを知ることはとても大切です。このような質問や疑問に丁寧に返答する医院で、ホワイトニングの施術を行いましょう。