クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人
審美治療は見た目を美しくする治療のことで、銀歯をセラミックの歯に変えたり、歯並びの悪い部分をセラミックの歯に変えてできれいな形に整えたり、歯を白くするホワイトニングも審美歯科に入ります。セラミックを被せる時に歯を削ることについてご説明します。
審美歯科のセラミック治療は歯を削る?
歯を削って治療するというと、虫歯治療を想像されると思いますが、審美歯科でセラミックの歯を被せる際にも、歯を削る必要があります。
セラミッククラウン
セラミッククラウンを歯に被せる時は、歯の周囲を360度ぐるりと削って、そこにセラミック製の被せ物や差し歯を被せます。
セラミックは隣の天然歯とほぼ見分けがつかないくらいに同じ色で自然な感じに作ることが出来ます。セラミックは陶器ですので割れやすい性質があります。そのため、セラミックで被せる場合は、歯を大きく削って、セラミックの被せ物を分厚く作る必要があります。
歯を大きく削る為、審美歯科でセラミックを被せる場合には神経を取る必要が出てくる場合があります。必ず神経を取るわけではありませんが、神経を取る場合が多いです。
神経の治療の後で型取りを行い、セラミックの被せ物を作製して歯に被せると、治療は終わりです。
ラミネートベニア
セラミック治療の中で最も歯を削る量が少ないのは、ラミネートベニアといって、前歯の表面にセラミックの付け爪のようなシェルを貼り付ける治療です。
ラミネートベニアを歯につける際には、歯のエナメル質を薄く削って、セラミック製の薄いシェルを貼り付けます。
ホワイトニングで白くならない歯を白くしたり、歯の形を変えて整える(軽度のすきっ歯など)ことが出来ます。
健康な歯を削ることのデメリット
審美歯科でセラミックを被せる治療を受ける際に、健康な歯を削った場合のデメリットについて知っておきましょう。
1.虫歯になりやすくなる
歯を削ると、削った部分から虫歯になりやすくなります。セラミックの被せ物をすれば、セラミックそのものは虫歯にならないものの、セラミックと歯茎の間の溝の部分(歯周ポケット)に細菌が入り込んで炎症を起こし、歯周ポケットが深くなると、セラミックと歯の境目の部分が虫歯になる可能性があります。
そのため、セラミックでの治療後は歯と歯の間や歯と歯茎の間に歯垢が溜まらないように、丁寧に歯ブラシやデンタルフロスを使ってケアをしたうえで、3~4ヶ月に一度は定期健診を受けるようにしましょう。
2.歯を削る量が多いと神経を取る必要がある
歯を削る際に、痛みが出ると神経を取る必要があります。神経を取ると痛みは感じなくなりますが、歯の根の部分が虫歯になってしまっても痛くないので、虫歯がかなりひどくなるまで気づかない可能性があります。
また、神経を取ると、歯に血液や栄養分が運ばれなくなりますので、歯が脆くなり、歯の寿命が縮むというリスクがあります。
このように、歯を削るとデメリットがありますので、審美歯科治療を受けたい方は、注意が必要です。
セラミック治療は歯を削るに関するQ&A
セラミック治療では、セラミックの歯を被せるために歯を削る必要があります。これは、セラミックの被せ物が適切に装着され、自然な外観と咬合(かみあい)を実現するためです。
セラミック治療では、歯を削って痛みが出た場合に神経を取る場合があります。しかし、必ずしも神経を取るわけではなく、神経を取ることが多い傾向にあるということです。
健康な歯を削る場合のデメリットとしては、以下の2つが挙げられます。まず、歯を削ると虫歯になりやすくなります。また、歯を削る量が多いと神経を取る必要が出てくる可能性があり、神経を取ることで歯の寿命が縮むリスクが存在します。
まとめ
審美歯科でセラミックを被せると、とても美しい仕上がりになりますが、健康な歯を削るとデメリットがありますので、虫歯のリスクを減らして歯を長持ちさせるための対策が必要になります。
また、審美歯科は全て保険適用外の自費診療となります。詳しくは歯科医院にお問合せ下さい。