クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人
ホワイトニングは妊娠中に行うことをおすすめしない歯医者さんがほとんどです。今日はその理由について、ホワイトニングなしで歯の着色を防ぐ方法をご紹介します。
妊娠中・授乳中に歯のホワイトニングは避けるべき
妊婦が歯のホワイトニングを受けることは禁止されているわけではありません。ただ、ホワイトニングの薬剤が胎児へどう影響を及ぼすかは、現段階ではわかっていません。そのため、殆どの歯科医院では妊婦さんにはホワイトニングは行っておりません。
妊娠中にホワイトニングをするリスク
妊娠中の女性にホワイトニングがおすすめできない理由は、歯に浸透させるホワイトニングの薬剤(過酸化水素・過酸化尿素など)が母体や胎児のリスクを高める可能性があり、安全とは言い切れないからです。
また、妊娠中は、ホルモンバランスの影響で唾液の分泌が減ったり免疫の機能が低下しやすい時期でもあることから、虫歯や歯周病のリスクが高まるとされています。そのため、歯に影響を与えるホワイトニングは避けた方が良いでしょう。
妊娠中にできる歯を白くする方法
妊娠中にはホワイトニングが出来ませんが、他に歯を白くする方法がありますので、ご説明します。
歯科衛生士による歯のクリーニングを受診する(PMTC)
クリーニングで歯石や歯垢(プラーク)の除去を定期的に行ってもらいましょう。日常のセルフケアは大切ですが、プロによる歯面や歯間、歯周ポケットを清潔にしてもらうことで、歯の着色汚れが付着しにくくなります。
ホワイトニングの歯磨き粉を使用して歯磨きをする
市販のホワイトニング用の歯磨き剤は、クリニックで使用されるホワイトニングの薬剤を含有しておらず、歯の内部にある象牙質まで白くすることはできません。ただ、ステイン汚れ(食べ物や飲み物の色素沈着・タバコなどのヤニ)は落とすことが可能です。
ホワイトニングの種類とは
ホワイトニングには、主に3つの方法があります。
- ホームホワイトニング
- オフィスホワイトニング(※当院では行っておりません)
- セルフホワイトニング(※当院では行っておりません)
1. ホームホワイトニング
ホームホワイトニングとは、歯科医院で処方された薬剤(過酸化尿素)とトレー(マウスピース)を持ち帰り、患者様がご自宅で行うホワイトニングです。行ってすぐに白くはなりませんが、象牙質に浸透するとオフィスホワイトニングに比べて、長い期間歯の白さを保つメリットがあります。
2. オフィスホワイトニング(※当院では行っておりません)
オフィスホワイトニングは、国家資格を持つ歯科衛生士がクリニックで行うホワイトニングです。過酸化尿素を主成分とした薬剤を使用し、ハロゲンランプなど光を当てて白くします。すぐに白く美しい歯になりますが、浸透という意味では長く持たせることが難しいのがデメリットです。
3. セルフホワイトニング(※当院では行っておりません)
セルフホワイトニングとは、エステや美容サロンで行われるホワイトニングです。資格を持たない環境で行うため、薬剤や機械は同じものではなく、薬剤は過酸化水素を混ぜたものです。歯科の知識がない人でも施術できるため、安全にホワイトニングを行えないデメリットがあります。
まとめ
ホワイトニングは、妊娠してから出産を経て、授乳が終了するまでの間はお勧め出来ません。妊娠中は、歯肉の腫れなどが起きやすい状態ですので、なるべく安全な方法でお口を清潔に保つようにしましょう。