クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人
喉に魚の小骨が刺さった時は、耳鼻咽喉科で診てもらうのが一番良いのですが、お近くに耳鼻咽喉科がない、または休診の時は、歯科医院にお電話などでご連絡ください。ご予約の際には、魚の小骨が喉に刺さったということをご説明下さいね。
目次
鰻を食べる時には小骨に注意が必要
魚の骨が喉に刺さった場合には、多くの場合、喉の違和感と痛みという症状が出ます。つばを飲み込んでも強めの咳払いをしても、なかなか抜けてくれません。鰻の骨自体は細く小さいものですが、以外と硬さがあり、簡単に取れないことがあるのです。
喉の深い部分に刺さっている場合は、耳鼻咽喉科で取ってもらわなければなりませんが、喉の浅い場所であれば、ピンセットで小骨をつまんで除去します。数秒で取れることが多いので、喉に魚の骨が刺さって症状がある時には、我慢せずに受診しましょう。
うがいなどで取れないときは無理をしない
鰻の小骨が8割くらい喉に埋まっていると、自分ではなかなか取れません。浅い刺さり方の場合は、水を飲んだりうがいをすれば取れることもあります。
無理に取ろうとすると喉の粘膜を痛めますので、無理をせずに耳鼻科か歯科を受診されると、殆どの場合、簡単に取ることができます。
うがいなどで取れたけれど炎症が起こって違和感になっている場合
鰻の小骨が喉から既に外れているにも関わらず、喉に傷が残ったためにそこに炎症が起こって、喉に違和感が生じているのを、小骨が喉に今も刺さっているものと勘違いされるという場合もあります。
鰻の小骨が歯茎に刺さる場合もある
鰻の小骨はものすごく細いので、歯周ポケットに刺さってしまう場合があります。歯の表面であればご自分で取ることも可能ですが、歯の裏側であったり、または歯と歯の間や、歯が重なっている部分に刺さって取れないこともあります。
そのようなときは、無理にご自分で取ろうとせずに、まずはお近くに耳鼻咽喉科がないか、インターネットなどで探してみて下さい。どうしても耳鼻科に行けない場合は歯科医院にご連絡下さい。
ご自分で取ろうとすると、他の部分を傷つけてしまうこともあり、そこが細菌感染を起こすと治療が長引くことがありますので、無理に取らないようにしましょう。
歯に急激な症状が出るのはどんなタイミングが多いの?
1年のうち、歯や歯茎に急な痛みや腫れなどが起こりやすい季節があります。夏と冬の土用の丑の日の後には、疲労回復のために食べた鰻の小骨が喉や歯茎に刺さって来院される患者さんがおられます。しかし、耳鼻科を受診された方が確実ですので、出来るだけお近くの耳鼻咽喉科を探してみて下さいね。
また、7月の海の日の前後も、梅雨が明けて気温が急激に高くなり、身体が気温の変化についていけずに免疫力が低下して、歯茎が腫れたり歯の根が疼いて来院される方が増えます。
まとめ
鰻の小骨が喉に刺さった場合、どうすればよいかご説明しました。鰻だけでなく、他の魚の骨が喉に刺さった場合も同様です。簡単にご自分で取れる場合は良いのですが、取れそうにない場合はまず耳鼻咽喉科へご連絡ください。
耳鼻科が休診などでどうしても行けない場合は、歯科医院にご連絡下さい。喉の奥の方でなければ歯科でも処置できますし、ほんの数秒で外れますが、奥の方に刺さっている場合は歯医者では無理な場合もあります。食道の奥の方に刺さっていて、耳鼻咽喉科でも無理な場合は、病院の消化器内科で取ってもらうことになります。
注意する点は、無理にご自分で取ろうとしないことです。取れない場合はすぐに医療機関にご連絡下さい。